1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. 芸能
  4. 映画

「光る君へ」まひろと道長、秘密の廃邸は「源氏物語」から着想 月の雫降り注ぐラブシーンの裏側

シネマトゥデイ 映画情報 / 2024年5月27日 5時0分

 吉高由里子主演の大河ドラマ「光る君へ」(NHK総合・日曜午後8時~ほか)で、吉高演じる主人公・紫式部(まひろ)と、藤原道長(柄本佑)の秘密の逢瀬の場所として登場する廃邸。「源氏物語」から着想を得たという本シーンの裏側を、美術の山内浩幹、枝茂川泰生、羽鳥夏樹が明かした。

 本作は、平安中期の貴族社会を舞台に、のちに1,000年の時を超えるベストセラーとなった「源氏物語」を生み出した紫式部の生涯を、大河ドラマ「功名が辻」(2006)や、社会現象を巻き起こした恋愛ドラマ「セカンドバージン」(2010)などの大石静のオリジナル脚本で描くストーリー。美術のチーフを務める山内はこれまで「軍師官兵衛」(2014)、「麒麟がくる」(2020~2021)など多くの大河ドラマを手掛け、枝茂川は「花燃ゆ」(2015)、「麒麟がくる」、羽鳥は「真田丸」(2016)、「西郷どん」(2018)などの美術を担当。大河ドラマ「青天を衝け」(2021)、「鎌倉殿の13人」(2022)などに参加し、本作の建築考証を担当する広島大学名誉教授・三浦正幸の意見を得ながらセットの構築を進めていった。

 山内が「宮中の豪華なセットとは対極とも言え、このドラマで非常に大事な場所として表現されている」と話す廃邸。元は貴族の屋敷であった場所が風化して荒れ果てた空間で、幼いころから惹かれ合い、数奇な縁で結ばれたまひろと道長が逢瀬を重ねてきた。第5回「告白」ではまひろが道長に母ちやは(国仲涼子)を殺害したのが道長の兄・道兼(玉置玲央)であったことを告白。第10回「月夜の陰謀」では道長が駆け落ちを決意し、まひろに抑えられない思いを告げた。第18回「岐路」では偶然、この地で再会した二人が声なき言葉を交わす切ない場面が展開。とりわけ道長にとっては、唯一本当の自分をさらけ出せるかけがえのない場所として描かれた。

 なぜまひろと道長の逢瀬の場所を廃邸としたのか。その理由について山内は「そもそも台本の場面設定で廃邸と書かれていました。そこで時代考証の倉本一宏先生が、まひろと道長が会う場所であれば、六条に設定するのはどうかと助言をくださった。そうすると『源氏物語』の『夕顔』のエピソードともリンクするからと。そこからもののけが取りついたかのような幻想的な空間というのがおのずと浮かび上がっていって。綺麗すぎても汚すぎてもいけない非常にバランスの難しい中で、こういうセットが生まれました」

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

複数ページをまたぐ記事です

記事の最終ページでミッション達成してください