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永瀬正敏、再び箱の中で生活 27年前に主演映画がとん挫…「あの時の監督の背中を一生忘れない」

シネマトゥデイ 映画情報 / 2024年7月8日 19時45分

 俳優の永瀬正敏が8日、都内で行われた映画『箱男』(8月23日公開)のジャパンプレミアに登壇。安部公房の同名小説に基づく本作は1997年に製作が決定していたが、クランクイン前日に撮影が頓挫した経緯がある。1997年の企画に続いて主演を務める永瀬が、当時撮影のため佐藤浩市らとすでにロケ地のハンブルグにいた状況をしみじみと振り返った。

 安部公房が1973年に発表した小説を原作とする本作は、段ボール箱をかぶって都市をさまよいながら世界を観察する「箱男」を巡るストーリー。イベントには共演者の浅野忠信、白本彩奈、佐藤浩市、石井岳龍監督も登壇した。

 永瀬は一度頓挫した1997年の出来事について「あまり経験したくないことが起きてしまったんです」と回想。「クランクインの前日で今日はスチールから先に始めましょうということでロビーに集まっていたら、石井監督がプロデューサーに呼ばれて、しばらくしたら『この映画を中止にします』という話になったんです。あの時の監督の背中を一生忘れないです」と話す。

 その後、気を遣ったドイツ側のスタッフたちが「さよならパーティ」を開いてくれていたというが、永瀬は「その時に佐藤浩市さんに“永瀬、今からデートしよう”って言われました。あんなに緊張したデートは初めてでした。デートで話をしていたら浩市さんに“お前どうするんだ”って聞かれたんです。“俺は棺桶に釘を打つつもりだ”って」と当時の佐藤の言葉を紹介。佐藤も「自分の役を棺桶に入れて埋めるよっていう意味だったんです。そうしたら永瀬さんは“自分の役はまだ(棺桶に入れて)埋めきれない”(諦めきれない)って。その言葉が嬉しくもあり、切なくもあったのを覚えています……」と振り返る。

 当時の永瀬は役に入り込むため、「ハンブルグのホテルの部屋を開けっ放しにしてずっと箱に入っていた」とも回顧。「美術さんに箱を一つ借りてトイレに入る時以外は箱の中で生活していました。今回の撮影でも撮影前に同じように箱に入っていました。僕の相棒の猫が興味を持ってくれて、一緒に箱に入ってくれたりしました」と今作の役づくりでも箱の中に入って生活することを実践したとのこと。永瀬は本作を取り巻く経緯を振り返りつつ、「今日、この日を迎えられたことが本当に嬉しい。いろんなことが詰め込まれた監督の分身のような作品です」と力を込めた。

 石井監督も「公開できるのが夢のよう。大勢のお客さんの前でついに作品ができたということで、私が箱の中に入って妄想を見ているみたいな心境です。箱男として夢を見ているみたいです」とコメント。原作者の安部に映画化を頼みに行った時のことも振り返り、「安部さんはものすごく頭がキレる方。ナポレオンのような方で、たくさんの情報が高速で回っていて、いろんなことをマシンガンのように話されるんです。靴下を互い違いに履いていたのが印象的でした。“「箱男」を娯楽にして欲しい”と言われたのを今でも覚えています」と話していた。(取材・文:名鹿祥史)

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