「アンメット」ギャラクシー賞受賞 「連続ドラマに新しい表現の可能性」
シネマトゥデイ 映画情報 / 2024年7月24日 18時30分
杉咲花主演のカンテレ・フジテレビ系4月期ドラマ「アンメット ある脳外科医の日記」(毎週月曜よる10時~)が、ギャラクシー賞2024年6月度月間賞を受賞した。同懇談会は「終盤の川内ミヤビ(杉咲)と三瓶友治(若葉竜也)のクローズアップが多用されたナチュラルで深みのある対話シーンは、杉咲花と若葉竜也でしか成立しなかったと思うが、そこに持って行った脚本、演出やスタッフの力量と志の高さも高く評価されるべきだろう。連続ドラマに新しい表現の可能性を拓いたと言っても過言ではない」と評した。
本作は、青年漫画誌「モーニング」で連載中の「アンメット-ある脳外科医の日記-」(原作:子鹿ゆずる/漫画:大槻閑人)に基づき、杉咲花演じる記憶障害を抱えた脳外科医・川内ミヤビを主人公にした医療ドラマ。ミヤビが失われた記憶や事故の真相に迫るミステリー要素を交えながら、仲間たちの助けを得て医師として再生していく姿が描かれた。共演に若葉竜也、井浦新、吉瀬美智子、千葉雄大、岡山天音、生田絵梨花ら。無料見逃し配信数(カンテレドーガ、TVer)は全話累計で2230万再生を超え、カンテレ連続ドラマ歴代1位に。またFilmarksの「2024年上半期ドラマランキング」で1位を獲得した。
派手な演出やBGMに頼らず、俳優たちの確かな演技力でみせた本作は回を追うごとに話題となり、多くの視聴者から支持を集めた。中でも10分以上に渡る1カット長回しで撮影された第9話のラストシーンは、SNSでは「ドキュメンタリーを見ているよう」「ナチュラルすぎてセリフかアドリブか分からない」と話題に。最終話では、低体温症を表現するために現場で密かにミヤビの身体の一部を氷で冷やしておく手法を杉咲が発案し、共演者が触れた瞬間の演技を引き出す演出が行われた。ミヤビが眠る三瓶を見ながら涙を浮かべて手紙を書くシーンでは、三瓶を記憶に留めようとするミヤビの感情を台詞なしで表現する杉咲の演技が多くの視聴者の心を揺さぶった。
ギャラクシー賞は、放送批評懇談会が日本の放送文化の質的な向上を願って1963年に創設。放送文化の向上に貢献した番組や個人・団体を表彰する。米田孝プロデューサーは「ギャラクシー賞6月度月間賞をはじめ、多くの評価をいただきありがとうございます。エンターテインメントを取り巻く環境が大きく変化する時代に、民放連続ドラマの可能性を極限まで追求しようと全てのキャスト、スタッフが心血を注いだことがこのような評価に繋がったのなら幸いです。主演の杉咲花さんは、「指折りの傑作を作りたい」と意気込み、この作品にまさに全身全霊を注いでくれました。そして、若くして偉大なこの座長が、まだ誰も見たことのない景色を私たちに見せてくれました。この思いが、多くの視聴者の方々の心に届いたとすれば、こんなに嬉しいことはありません」とコメントを寄せた。
本作はカンテレドーガ、FOD、Netflixで全話配信中。また、8月1日からはAmazonPrimeVideo内「カンテレドーガCHANNEL」でも配信がスタート。Amazonプライム会員は5話まで無料で見放題のキャンペーンも実施する。(石川友里恵)
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