アメリカで内戦勃発…A24製作『シビル・ウォー』は“50%現実” 来日した監督が切実な思い告白
シネマトゥデイ 映画情報 / 2024年8月25日 20時31分
A24製作の新作映画『シビル・ウォー アメリカ最後の日』(10月4日全国公開)のメガホンを取ったアレックス・ガーランド監督が25日、都内で行われた来日プレミアに映画評論家の町山智浩と出席。本作に込めた思いや撮影時のエピソードを語った。
本作の舞台は近未来のアメリカ。国内では大規模な分断が進み、カリフォルニア州とテキサス州が同盟を結んだ「西部勢力」と、「政府軍」による内戦へと突入する。4人のジャーナリストは戦場と化した道を走り続け、ニューヨークから大統領が立てこもるホワイトハウスがある首都・ワシントンD.C.へと向かう。
ガーランド監督は「僕の空想の物語ではなく、世界で今起きていることを反映させたつもりです。今の世の中は過激派が台頭したり、世界中で分断が起きています。問うべきは、これが本当かどうかではなく、これがいつ、どこで止まるかということ」と本作への思いをコメント。「近未来のフィクションの部分もありますが、50%は現実だと思います」と力を込めた。
共和党を支持するテキサス州と、民主党を支持するカリフォルニア州が手を組む設定については「思考実験です。そんなに想像しがたいですか? と観客に問いかけています」と話し、「劇中の大統領が法治国家であるアメリカを崩壊へと追いやり、市民を虐げているファシズムに抗おうとしている姿は理にかなっていると思います。ファシズム対デモクラシーを描きたかった」と説明した。
キルステン・ダンストふんするジャーナリストを主人公に据えたことに関しては、「近年、ジャーナリストが敵視されがち。腐敗した政治家がジャーナリストを矮小化しようとしたり、デモの取材中に言葉や肉体的暴力を浴びせられたりしているが、それは狂気の沙汰。我々の自由な生活を守るためにジャーナリズムは必須。だからこそジャーナリストをヒーローとして描きたかった」と打ち明ける。
米兵役についても「米兵として従軍したことのある人たちなので、武器の構え方や戦場でのやり取りがリアル。あのシーンは面白かったし、一番撮影がしやすかった」と振り返る。本物のネイビーシールズも参加していたそうで、「監督としての演出は『普段通りのことをしてください』と言っただけです。ドキュメンタリーのように撮りました」と明かした。
最後に、世界が注目するアメリカ大統領選挙についてコメントを求められたガーランド監督。「トランプに投票するな」と率直な一言で会場の笑いを誘った。(錦怜那)
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