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「虎に翼」寅子の口癖「はて?」誕生秘話、脚本家が明かす

シネマトゥデイ 映画情報 / 2024年9月15日 12時0分

 伊藤沙莉が主演を務める連続テレビ小説「虎に翼」(NHK総合・月~土、午前8時~ほか ※土曜日は1週間の振り返り)の脚本を担当した吉田恵里香が、伊藤演じる佐田寅子の口癖「はて?」の誕生秘話を明かした。

 朝ドラ・110作目の「虎に翼」は、女性法律家の先駆者である三淵嘉子さんをモデルとしたオリジナルストーリー。日本初の女性弁護士の一人で後に裁判官となった主人公が、困難な時代に道なき道を切り開き、迷える子どもや追いつめられた女性たちを救っていく姿を描く。米津玄師の主題歌「さよーならまたいつか!」がドラマを彩り、語りを尾野真千子が担当する。

 寅子の「はて?」について、吉田は「第1話から出てくるので、初期の段階からそれが寅子の口癖になることは決まっていました。寅子が疑問を口に出すときの決まり文句で、『この子が今何か疑問に思ったんだな』『おかしい』と思ったことをわかりやすく提示できる言葉を考えてできたのが『はて?』でした」と紹介する。

 続けて、「あまり強い言葉ではないんです。彼女も誰かを攻撃したくて使っているわけではない。『対話』や『声に出す』『思ったことを口に出す』がこの作品のテーマ。それができる導入になればいいなと思って『はて?』ができたんです」と説明する。「『はて?』以外にも『うーん』とか考え込んじゃうみたいな言葉を初稿を書く前の全体構成段階ではいろいろと考えたりもしました。でもどれも寅子っぽくないなって思って使いませんでした。『はて?』の方がしっくりくるものがありましたね」と明かした。ちなみに、自分では使わないそうだ。

 すでに脱稿したという吉田。撮影を振り返り、「(最初の企画の段階で)『伊藤さんが寅子になってくれたらいいな』と思っているところから始まったんです。だから伊藤さんが寅子に決まった時は本当に嬉しかった」とコメント。伊藤の魅力を「演技が素晴らしい」と絶賛し、「立っているだけでも心情が伝わってくるし、伊藤さんならこの役をやってくれるだろう、伊藤さんが演じるのならきっと(寅子が)嫌われずにやってくれるだろうと」と安心できる相手だったと語る。「泣きの演技もそうですが、大人になってからの寅子がまたいいんです」とべた褒めする。

 また、「NHKへ行くと、伊藤さんはいつ行ってもニコニコしていて、話しているとすごく楽しいんです」と明かし「座長だからあえてそう演じているところもあると思うんですけど、現場が一回もピリピリしていたことがない。沢山のものを背負っていたはずなのに、本当にすごい人だなって。私も元気をもらえたりして才能のある人だなと思いました」とその人柄についても賛嘆した。

 さらに、ナレーションを行なった尾野にも触れ、「尾野さんが決まった時から嬉しかったんです。語りの幅が、尾野さんが演じることで広がったなと思いました。短いセンテンスで説明しないといけないのが語り。長いセリフでも尾野さんなら(視聴者に)聞いてもらえるだろうなって思いましたし、書く側も、(尾野が演じることで)不安感なく書けたのはありがたかったです。メリハリ、演じ分けもあって安心して憲法第14条も読んでいただけた」と語った。(取材・文:名鹿祥史)

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