大倉孝二、『ピンポン』が俳優人生の転機に「アンナチュラル」井浦新との再会は「照れ臭かった」
シネマトゥデイ 映画情報 / 2024年9月1日 7時32分
飄々とした独特の存在感を持ち、物語に味わいや深い彩りを与える俳優として活躍を続けている大倉孝二。監督・塚原あゆ子&脚本・野木亜紀子の最強タッグによるドラマ「アンナチュラル」(2018)、「MIU404」(2020)、8月23日より公開となる映画『ラストマイル』では、3作品すべてにおいて西武蔵野署の刑事・毛利忠治役で出演を果たしている。今年で50歳という節目の年を迎えた大倉が、俳優業の転機としてあげたのは、映画『ピンポン』(2002)だ。『ピンポン』で出会った井浦新と「アンナチュラル」で再会を遂げた時には、「なんだか照れ臭かった」と笑顔を見せる。そんな同い年でもある井浦への思いや、俳優としての現在地までを語った。(成田おり枝)
転機となった『ピンポン』アクマ役
大倉にとって役者としてのスタート地点は、1995年にケラリーノ・サンドロヴィッチ(KERA)が主宰する劇団「ナイロン100℃」に入団したこと。「『何か面白いものを作る現場に行ってみたい』と思ったことをきっかけに、俳優の養成学校に通い始めて。俳優の勉強を始めても、そんなに向いているとは思わなかったんですけれどね。そこからたまたま今の劇団(ナイロン100℃)の募集要項を見つけて、そのまま今に至ります」と流れに身を任せながら、役者の道を歩み始めた。
転機となった作品としてあげるのが、松本大洋の同名コミックを監督・曽利文彦、脚本・宮藤官九郎によって実写映画化した『ピンポン』だ。卓球に青春を捧げる男子高校生たちの奮闘を描く本作で、大倉は、“アクマ”こと佐久間学役を演じていた。汗だくになりながら努力を重ねつつ、自分は「凡人だ」と自覚して主人公であるペコ(窪塚洋介)の背中を押していくアクマの姿が心に残っている人も多いことだろう。
「僕は『ピンポン』によって世に出させていただいた。『ピンポン』に出演したことで、それまでとは圧倒的な変化がありました」と回想した大倉は、「そこで初めて、長い期間を撮影現場で過ごすという経験をさせていただいて。『映画ってこうやって撮っているんだ』と知ったり、『みんなで力を合わせて作っていくものなんだ』という喜びも感じました。若い出演者が多かったので、長い時間をかけて撮影をしていると、役と一緒に俳優も成長していくんだという感覚もあって。ものすごくいい経験をさせていただきました」と振り返る。
再会した井浦新は「ものすごく優しい笑顔をしていた」
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