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『ジョーカー2』ホアキン・フェニックス、“笑い”のシーンは現場で生まれた あらゆる感情が込められた瞬間

シネマトゥデイ 映画情報 / 2024年9月7日 19時32分

 「普通の歌唱シーンなら、レコーディングされた楽曲に合わせて歌うのが一般的です。それは生歌であっても同じで、テンポは一貫しています。しかし僕らは、セットの別の部屋で演奏するピアニストと、お互いの歌と曲を聴くことができるようにして撮影しました。これによって、テイクごとに曲のテンポや強度を変えることができたのです。僕も、歌のシーンでは事前にどんなパフォーマンスするかを決め込まずにやることができた。例えば曲の終わりに、大きな声で強烈に歌い上げるバージョンをやりたい時もあれば、非常に静かに歌うバージョンにしたい時もありました。ピアニストも僕も、お互いがどんなことをするのかちゃんとわかっていない状態です。それによって、ある種の即興的なエネルギーが生まれたと思います」

 もちろん、前作でも鮮烈な印象を残したダンスシーンにも挑んでおり「ダンスについては、前作でも一緒に仕事をした、マイケル・アーノルドという振付師と今回も組んで仕事をしました。脚本を読むとタップダンスのシークエンスがあることがわかり、非常に早い段階で彼と仕事を始めました。タップダンスをやったことがある人ならわかると思いますが、本当に難しいです。少なくとも僕にとってはそうでした。でも、最終的には非常に報われたし、楽しい経験になりましたよ」と振り返った。

即興的だった“笑い”のシーン

 また、前作に続いて鮮烈な印象を残すのが、アーサーの“笑い”のシーン。ホアキンは「“笑い”は1作目でも非常に重要な部分でしたが、多くの場面は、撮影現場で即興で作り出した瞬間でした。そして今回もそうです。いくつか脚本に書かれている場面もありますが、多くの場合は『ここがその瞬間だ』と見つけたような感じです」と明かす。

 “ジョーカー2”の予告編にも、屋外のフェンスにつながれたアーサーが雨のなかでずぶ濡れになって笑う、印象的な場面が使われている。「アーカム矯正施設の外のシーン。ロサンゼルスにしては寒い気候で、降雨機を使っていました。『あと1時間、撮影時間が余っているから何かやろう』ということになり『じゃあ外にいるアーサーが、雨の中で縛られたまま笑っているシーンはどうだろう?』という話になりました。正直に言うと、その時の笑いは何か計画していたとうよりも、水の冷たさにただ反応していただけかもしれません」と振り返るホアキン。

 さらに「ただ、彼の“笑い”というのは常に非常に複雑なもので、そこには痛みや喜びなどさまざまな思いが込められていると思います」と付け加える。「アーサーが笑っているとき、彼が何を感じているのかを正確に特定するのは難しい。それこそがこのシーンを興味深いものにしているのかもしれません。重層的で、深い痛みや反逆的気持ちなんかが混ざり合った笑いだからこそ、皆さんにとって印象深いものになっているのかもしれません」

重要なのは過程

 前作はベネチアで最高賞にあたる金獅子賞を受賞し、今回も受賞が期待される『ジョーカー2』。しかしホアキンにとっては、新たなアプローチでアーサー役を再訪できたことが、何より重要なことだったようだ。「正直なところ、僕はあまり作品に対する反響などは気にしないし、期待することもありません。マーケティングや配給の仕組みなんて理解できていないのですから。ただ、実際にどんな映画を作るのかという、プロセスを重視しています」

 「でも、多くの人々に『ジョーカー』という作品が響き、この作品を共有できたことは意義深いことだったと思います。それはキャラクターとの深い繋がりを生み出し、非常に感動的なものでした。この作品が誰かに対して強烈なインパクトを与えているんだという実感をかみしめることができたことは充実感があって面白かったですし、特別な経験だと思っています」(編集部・入倉功一)

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