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『ジョーカー2』トッド・フィリップス監督が言及する犯罪のエンタメ化 本作がアニメで始まる意味とは

シネマトゥデイ 映画情報 / 2024年9月7日 21時45分

 第76回ベネチア国際映画祭において、アメコミ映画初の金獅子賞に輝く快挙を成し遂げたDC映画『ジョーカー』(2019)。その続編となる『ジョーカー:フォリ・ア・ドゥ』(10月11日全国公開)を引っ提げて、再びベネチア映画祭に参加したトッド・フィリップス監督が、日本向けの合同会見に出席した。

巨大な成功のプレッシャー

 大都市ゴッサムの片隅で生きるコメディアン志望の主人公アーサー・フレックが、社会の狭間でもがくうちにジョーカーへと変貌していった前作。愛を知らない男をめぐる喜劇のような悲劇は、主演を務めたホアキン・フェニックスの演技と共に絶賛され、世界中で大ヒットを記録した。

 フィリップス監督は、大勢の期待を背負った続編について「前作の成功によって、これまでと異なるレベルのプレッシャーがあったのは確かです。それは決して楽しいものではなかったですね。1作目は期待以上の大成功を収めましたが、作っている時は誰にも知られず、ある意味でひっそりと撮ることができました。しかし今回は、皆が期待して、何が起きているのか知りたがっている状況で撮ることになったので、そこは戦々恐々としていました」と告白する。

 そんな本作についてフィリップス監督は、ワーナーの人気アニメ「ルーニー・テューンズ」にインスパイアされたアニメーションで幕を開けると明かしている。世間の前作への反響を皮肉ったようにも思えるが「いいえ、そういうわけではないんです」と否定。そのうえで「エンターテインメントの腐敗を表現しているつもりです。少なくともアメリカにおいては、どんなひどい凶悪事件や刑事裁判も、メディアによってテレビ映画といった形でエンタメになってしまう。だからジョーカーのような凶悪犯であっても、こうしたカートゥーンになってしまったりするんだという状況を描いています」と語った。

熱望したホアキンとの再タッグ

 フィリップス監督が、プレッシャーを抱えながら続編に取り組んだ大きな理由は、アーサーを演じたホアキンの存在だったという。「普通は映画が完成すると、へとへとに疲れ切って、もう次はいいやという気分になるのですが、『ジョーカー』はホアキンとの仕事が本当に楽しく、彼が演じたアーサーのことも気に入っていたので、もっと掘り下げてみたかった……と思ったんです」。

 「ホアキンは、現役の俳優のなかでもベストな存在だと思っています。二番煎じのようなパフォーマンスはしないし、これほど試行錯誤しながら役に一生懸命向き合う役者をほかに知りません。『ジョーカー』における彼とのコラボレーションは本当に素晴らしいものでした。そしてだからこそ、続編を作りたかった。ホアキンとまた組めると思ったら、やらないわけにはいきませんよね」

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