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『トップガン』俳優のブレイクは「ようやく世界が追いついた!」 リンクレイター監督が喜び

シネマトゥデイ 映画情報 / 2024年9月12日 18時8分

 二人は脚本も共に執筆した。リンクレイター監督は『ビフォア』シリーズでも主演のイーサン・ホーク&ジュリー・デルピーと共に脚本を執筆しているが、監督にとって演じる俳優たちと脚本を書くというのは自然なことなのだろうか? 「それはある意味、派生的なものといえる。僕はしばしば一人で書き、キャスティングをしたら、演劇みたいにワークショップをする。ワークショップは約1か月で、脚本に変更を加えたり、俳優たちのアイデアを含めたりする。だから僕にとっては単に、“どのタイミングで俳優たちが参加するか”という話なんだ」

 「シリーズ1作目の『恋人までの距離(ディスタンス)』(原題:Before Sunrise)では僕が脚本を書き、イーサンとジュリーと僕で3週間、一緒にリライトしていった。なぜなら僕は、彼らにとってリアルなものにしたいから。俳優たちは、自分が理解していないもの、もしくは共感できないものをやるべきではない。だから彼らのアイデアも取り入れて、『それはいいアイデアだ。こうするのはどうだろう?』みたいな感じで、少しずつ変えていく。僕にとってもリアルでなければならないからね。だから単にプロセスなんだ。今回の場合は、僕たちは初期から本作について話していたから、通常より早くからグレンと始めるのは自然なことだった。たくさん掘り下げられて、とても楽しかったよ」

 『ヒットマン』でもワークショップを行っており、脚本が出来上がると、俳優たちと朝から晩までそれを磨き上げていった。「僕のワークショップは“演技エクササイズ”みたいなのではなく、テキストベースで行う。ただ座ってたくさん話し、脚本にある全てをかみ砕いていくんだ。映画作りは、楽曲作りに似ていると思っている。ストーリー=メロディーで、それはすでに僕の中にある。ワークショップの作業は、セリフ=歌詞を完璧にしていくものなんだ。それにはたくさんの人々が参加できると思うから」

 流れるような自然なセリフが特徴のリンクレイター作品だが、アドリブは一切ない。ワークショップでしっかり詰めているからこそだろうが、リンクレイター監督はリハーサルでもアドリブをされるのは嫌だときっぱり。「僕はいつだってテキストベースだ。全ては脚本から生まれる。マイク・リーとかアドリブで成功している監督たちもいるけれど、僕は一度もそうすることに興味を持ったことはない。自分が脚本家すぎるんだろう。それに、俳優たちはアドリブが得意だと思っているが、実際はそうじゃない。イーサンとジュリーは最初『ただわたしたちにやらせてくれない?』って感じで、最終的に僕はOKした。それで彼らはいくつか言葉を言ったけれど、カットしてどう思うか聞いたら『うまくいかなかった』と。『その通り、うまくいっていない』と返したよ。映画はそうやって作るもんじゃない。もしそんな簡単ならば、みんなそうしているよ」と笑っていた。(編集部・市川遥)

映画『ヒットマン』は9月13日より新宿ピカデリーほか全国公開

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