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【エミー賞総評】「SHOGUN 将軍」日本語セリフ7割の時代劇、ハリウッドで歴史的快挙 胸が熱くなる名スピーチの数々

シネマトゥデイ 映画情報 / 2024年9月16日 15時22分

 「SHOGUN 将軍」の次に多いノミネート数を獲得していたのは、コメディーシリーズ部門の「一流シェフのファミリーレストラン」。この作品も主演男優賞(ジェレミー・アレン・ホワイト)、助演男優賞(エボン・モス=バカラック)、助演女優賞(ライザ・コロン=ザヤス)、監督賞(クリストファー・ストーラー)で受賞。だが、確実と思われていた作品賞を逃したのは、今回最大のサプライズだったと言える。この部門を受賞したのは、ジーン・スマート主演の「ハックス(原題) / Hacks」で、主演女優賞と脚本賞も受賞している。

 ほかに大健闘したのは、Netflixのミニシリーズ「私のトナカイちゃん」。候補入りしていた作品賞、主演男優賞、助演女優賞、脚本賞の4部門すべてで受賞した。ストーカーに悩まされ、業界のパワフルな人物に搾取された自らの暗い過去を脚本にし、主演も務めたリチャード・ガットは、作品部門の受賞スピーチで「これは有名俳優が誰も出ない、既存のIPがあるわけでもない作品。このように、無難な域にとどまらず、リスクを取ってほしい」とスタジオに呼びかけた。

 ドナルド・トランプが初めて大統領選に立候補して以来、ハリウッドの授賞式番組は政治色が強いと指摘されてきたが、今回は大統領選の年であるにもかかわらず、控えめ。それでもちらほらとはあった。

 たとえば、プレゼンターとして舞台に立ったキャンディス・バーゲン。1980年代末から1990年代にかけて放映されたコメディー番組「TVキャスター マーフィ・ブラウン」で、バーゲン演じる主人公は、妊娠し、シングルマザーとして子供を育てると決めるのだが、当時ブッシュの副大統領だったダン・クエールはそれを強く批判した。その時を振り返り、バーゲンは「時代は変わりましたね。共和党の大統領候補は、もう子供を生もうとする女性を攻撃しないのですから」と言い、最後に「ニャー」と猫の鳴き声をしたのだ。これはもちろんJ・D・ヴァンスへの当てつけで、会場からは大きな拍手が上がった。

 司会を務めたユージーン・レヴィとダン・レヴィの親子は好感度があり、時間が過度に延長することもなかった今回のエミーは、全体的に成功だったと思われる。もちろん重要なのは視聴率。それは明日判明する。

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