「光る君へ」清少納言が紫式部に激怒した理由は?
シネマトゥデイ 映画情報 / 2024年10月6日 21時0分
吉高由里子が紫式部(まひろ)役で主演を務める大河ドラマ「光る君へ」(NHK総合・日曜午後8時~ほか)でききょう(清少納言)を演じるファーストサマーウイカが、6日放送・第38回でききょうがまひろに告げた「源氏物語を恨んでおりますの」に込めた心情に対する解釈を語った。放送後、ドラマ公式Xなどで公開されたコメント動画「君かたり内」で明かしている。
これまで同じ学問に携わる者同士として絆をはぐくんでいたまひろとききょう。しかし、伊周(三浦翔平)から一条天皇(塩野瑛久)が今ではまひろの書いた物語にすっかり心を奪われていると聞いたききょうは激しく動揺。第38回「まぶしき闇」では「源氏物語」を読んだききょうが、まひろの局を訪れるさまが描かれた。
これまでききょうの「源氏物語」批評に熱い視線が注がれていたが、ききょうは「引き込まれました。あんなことを一人でじっとりとお考えになっているとはたまげましたわ。まひろさまは誠に根がお暗い」「(光る君が)玉鬘の君に言い寄るところのしつこいいやらしさなどあきれ果てました。されど、そういう困った男を物語の主になさって男のうつけぶりを笑いのめすところなぞ、誠にまひろさまらしくて」とききょうらしい物言いで褒めた。と、ここまではいい雰囲気だったのが、まひろがききょうに藤壺の女房として働くことを提案したあたりから雰囲気は一変。ききょうは「それはお断りいたします」と表情を硬くし、徐々に感情が高ぶらせながら涙を浮かべて「ところで、まひろさまはなにゆえ源氏の物語をお書きになったのですか? もしかして……左大臣様にお頼まれになったのですか? 帝の御心から「枕草子」を消してくれと。亡き定子様の輝きを…なきものとするために」と問うた。
帝の心を惹きつける物語を書きたいと思ったのは事実であると答えるまひろに、ききょうは「わたしは腹を立てておりますのよ、まひろ様に! 源氏物語を恨んでおりますの」と声を荒げるが、ウイカは本シーンをこう振り返る。
「あのシーンは悩みましたね。やはりプライドがすごくしっかりあるキャラクターだと思うんですよね。ききょうというのは。それを見せないというか、強がっているけれども、常に自分は負けないようなポジションを探す人間だと思っていたのが、やはり台本が来た時に腹が立っている、恨んでいるっていうのを言うんだっていう風に思って。思っていても「ふん」「へー」みたいな感じで、強がるのかなと思いきやぶつけるっていうのは、やはり相当本人も覚悟がいっただろうし、カッとなって言ったというよりかは、これは私だけの解釈だと思うんですけど、やっぱり悲しさがあったと思うんです。「友達じゃなかったの?」っていう悲しさ。「あんなに喋っていて、私、定子様あんなに好きって言って、そのために書いているっていう話も散々してたのに、なんでそんなことすんの?」っていう苛立ち。裏切られたと思ってるんで、裏切られた時の悲しさっていうのがあったんだと思って。私はそこが強く恨んでるっていうのは、定子様への思いからの恨みもあるし「あなた友達だったじゃん」っていう恨みが合わさって、愛憎みたいな感覚になってしまいました(笑)」
さらに、ウイカは二人の関係に亀裂が走る様子について「歴史的に見た時にライバル視されるような位置関係になっているからこそ、最初近づけておくっていうこの手腕、もう本当に脱望というか、その方が悲しいし悔しいと思うんですよね。これはもう悪口書かれる道がもう決まっちゃっているから。だからこそ今まで38話に至るまで何度も赴いて、2人の絆というか友情を丁寧に丁寧に編み込んでいったと思うんですよね。そこのほどける瞬間、ギュッと結ばった糸がバツンって切られる瞬間、すごくリアルだな。この女同士の友情の中の糸がほつれていく感じっていうのが本当にリアル。「リアルだな」と思って、「嫌だな」って思いました。シンプルに嫌ですね」と話している。(編集部・石井百合子)
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