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実写版「ボルテスV」絶対に失敗したくなかった合体シーン 監督の強すぎる愛にフィリピンが大熱狂

シネマトゥデイ 映画情報 / 2024年10月20日 8時10分

 実写映画『ボルテスV レガシー』(全国公開中)を手がけたフィリピンの映画監督マーク・A・レイエス・V(正式表記はマーク A. レイエス V)が来日インタビューに応じ、原作アニメ「超電磁マシーン ボルテスV」(1977~1978)をリスペクトして制作した渾身の合体シーンについて語った。

 「超電磁マシーン ボルテスV」は、選ばれし5名の若者が合体ロボットに搭乗し、地球に襲来したボアザン帝国の侵略軍に立ち向かうさまを描いた東映のロボットアニメ。フィリピンでは、原作認知度94パーセントと熱狂的な支持を獲得しており、同作のファンであるマーク監督が、映画1本&テレビシリーズ全90話で実写化に挑んだ。

 原作アニメの見せ場といえば、「レッツ・ボルトイン!」の掛け声で5機のボルトマシンが合体するシーンだ。実写版では、フィリピンのCG制作会社・ライオット社によって、一連のシークエンスが忠実に再現されている。

 マーク監督によると、合体シーンは映画の製作が正式決定する前から温めていたという。「『ボルテスV レガシー』で見られる合体シーンのテンプレートの制作は、2014年ごろから始めていました。ライオット社のエンジニアによって、何年もかけてじっくり開発したもので、白黒状態の映像でも観るだけで涙が出てきました」

 合体シーンに対する熱量は桁違いで、マーク監督は「他のシーンはしくじっても構わないが、合体シーンだけは絶対に失敗してはならない」という覚悟で製作していた。実際にフィリピンで映画が上映された際には、合体シーンで大きな歓声が上がったそうで「劇場で叫んだり、泣いたりする人がたくさんいました」と明かした。

 合体シーンでは、原作アニメと同じく「ボルテスVの歌」が使用されており、フィリピンの歌手ジュリー・アン・サン・ホセが日本語でカバーしている。堀江美都子が歌った原曲は、フィリピンで“第2の国歌”と言われるほど浸透しており、マーク監督も「英語や(フィリピンの言語)タガログ語にしたら台無しになる」と日本語で歌うことに意味があると強調。「フィリピンの人々が愛する日本語バージョンにこだわりました。テレビコマーシャルなどでも使われていて、幅広く認知されています。それだけ愛されている曲を、なぜ他言語に変換する必要があるのか? フィリピン実写版だからといって、現地の言葉で歌い直す理由などありません」と熱く語っていた。(取材・文:編集部・倉本拓弥)

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