塚原あゆ子監督『ラストマイル』チームと挑む端島の映像化「海に眠るダイヤモンド」で新たな挑戦
シネマトゥデイ 映画情報 / 2024年10月23日 12時0分
神木隆之介が一人二役で主演を務める日曜劇場「海に眠るダイヤモンド」(TBS系・毎週日曜よる9時~)で、ドラマ「アンナチュラル」「MIU404」、映画『ラストマイル』に続いてタッグを組んだ脚本・野木亜紀子と監督・塚原あゆ子のインタビューが公開。1950年代の長崎県・端島の生活を映像化するための、綿密な取材の裏側と新たな試みが明かされた。
本作は、1950年代の端島と現代の東京を結ぶ、愛と友情、そして家族の物語。神木が、1950年代の端島に生きる主人公・鉄平と、現代のホスト・玲央を演じ分ける。
“軍艦島”とも呼ばれる端島は、長崎港から船で約40分のところに位置する、岩礁の周りを埋め立てられて造られた、海底炭坑の島。日本で初めて高層鉄筋コンクリートのアパートが建てられ、最盛期には約5,300人が住み、当時、世界一ともいわれる人口密度を誇ったという。端島炭鉱の良質な石炭は、日本の近代化に大きく貢献した。「海に眠るダイヤモンド」では、そんな端島を連続ドラマとして初めて映像化する。
1年かけて徹底取材
ーー制作にあたって、かなり取材を重ねられたそうですね。
野木:脚本執筆のため、昨年の夏頃から1年くらいかけて取材をしました。塚原さんとプロデューサーの新井さんは他作品の制作もあり事前取材の参加が難しかったのですが、取材が十分にできないまま描くことはどうしても避けたかったし、1人での取材には限界があるので、長崎県出身の林啓史監督(『いだてん~東京オリムピック噺~』など)に協力をお願いしました。実際に長崎を訪れて元島民の方々への取材を行ったのですが、80代の方が中心で皆さん長崎弁を話されるので、よそ者の土地勘もない私だけで取材に臨んでいたらかなり苦労していただろうなと思います。林さんがいなければ今回の作品は成立していません。
ーー最初に端島に訪れたのはいつ頃ですか?
野木:実は端島が世界遺産に登録される前に、一度プライベートのバイク旅で訪れたことがありました。当時はまだ観光地化されておらず、「軍艦島ミュージアム」などもなかった頃。なので、島には上陸したのみでした。二度目は新井さんとたまたま訪れて、元島民の方のガイドを聴くことができ、「これはドラマになるかも」と感じました。島には水源がなく生活がとても困難で、今では考えられないような環境での暮らし。そんな状況の中を生き抜く人たちの姿は、今を生きる人たちにどう映るのかなと思ったんです。このとき新井さんと訪れていたから今回の企画が生まれました。
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