高倉健さんは映画人生における神 キャメラマン・木村大作、没後10年特集「若い人に観てほしい」
シネマトゥデイ 映画情報 / 2024年11月7日 19時21分
名キャメラマンで映画監督の木村大作が7日、丸の内TOEIで行われる特集上映「没後10年 高倉健特集 銀幕での再会」(11月7日~22日)を記念したトークイベントに出席。9本の高倉健さんの作品でキャメラを回した木村が高倉さんの思い出を回顧した。
「没後10年 高倉健特集 銀幕での再会」は、これまでデジタル上映されなかった『花と嵐とギャング』(1961年)、『悪魔の手毬唄』(1961年)、『ジャコ萬と鉄』(1964年)、『狼と豚と人間』(1964年)、『山口組三代目』(1973年)、『現代任侠史』(1973年)など10本の初デジタル上映作品を始め、鶴田浩二、藤純子(現・富司純子)の主演作品に客演した「脇役でも輝く健さん」作品、東宝・松竹、KADOKAWA配給作品も含む珠玉の19作品が上映される。
この日は、1981年に公開された『駅 STATION』が上映。本作でキャメラマンを務めた木村は「この映画のことなら何時間でも話せますよ」と笑顔を見せると「初めて健さんと出会ったのが『八甲田山』。3年間も過酷な現場を経験して、健さんからジッポのライターと“戦友・高倉健”というのを終わった後にもらいました。『八甲田山』の撮影が過酷で、健さんはタバコをやめたんです」と振り返る。
その後も『夜叉』(1985年)、『鉄道員(ぽっぽや)』(1999年)など合計9本の映画で高倉さんとタッグを組んだ木村は「日本の俳優でスタッフまで指名してくるのは、高倉健さんしかいません」と言うと「いまでいうエグゼクティブ・プロデューサーのような立場。健さんがOKしないと作品は完成しない。俳優を超えた存在でした」と影響力のすごさを語る。
さらに木村は「健さんはオーラがあるという俳優でしたが、最近はオーラがあると表現する俳優は増えています。そうなると『健さんはどういう人か?』と聞かれると、ただただすごい俳優となる。僕らは対面できないような、すごい俳優。これからも健さんのような俳優は出てこない」と断言していた。
また高倉さんは、撮影したラッシュ映像をくまなく自身で観る人だったというと、『駅 STATION』のラストシーンも、高倉さんの希望で台本から変更したという裏話を披露。そして「高倉健さんは現場で座らない」という伝説も「自分が出演していないシーンでも現場に立っていて、本当に座らない。俳優さんだけではなく、スタッフ一人一人をものすごく見ている人。映画作りに対して、精一杯自分の身を捧げた人なんです」と語っていた。
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