リドリー・スコット監督、デンゼル・ワシントンへの厚い信頼『グラディエーターII』でも「あまりにもうまい」
シネマトゥデイ 映画情報 / 2024年11月9日 7時32分
アカデミー賞5冠に輝く大ヒット映画の続編『グラディエーターII 英雄を呼ぶ声』(11月15日公開)を手掛けたリドリー・スコット監督が、久々のタッグとなった名優デンゼル・ワシントンについて語った。
本作は、古代ローマを舞台に、皇帝の謀略によって妻子を殺され、奴隷の身分となった元大将軍マキシマス(ラッセル・クロウ)が、剣闘士となって戦う姿を描いた『グラディエーター』(2000)の続編。1作目のその後が舞台となり、ローマ帝国軍の侵攻によって妻を殺された戦士ルシアス(ポール・メスカル)が、復讐を胸に剣闘士としてコロセウム(円形闘技場)の戦いに挑む。
デンゼルが演じるのは、ルシアスの復讐心に目を付け、自分の剣闘士としてローマへと導く謎の商人・マクリヌス。マキシマス亡き後のローマを治める狂気の双子皇帝、ゲタ(ジョセフ・クイン)とカラカラ(フレッド・へッキンジャー)の近くで、虎視眈々と権力の座を狙う男で、スコット監督は「マクリヌスは、ローマ帝国が機能不全に陥っていることを嗅ぎつけ、兄弟の玉座が実に脆いことを察知する。そこで『この二人を破滅に追いやることができる。そして私が玉座をいただく』と考えるんだ」とその複雑なキャラクターについて語る。
「(1作目の)『グラディエーター』では、オリヴァー・リードが(マクリヌスのように)悪役ともとれるような役を演じていた。オリヴァーは良い役者ながらも、かなりクレイジーなやつだったけど、デンゼルはクレイジーじゃないね」
スコット監督とデンゼルは、ニューヨークの暗黒街が舞台の実録映画『アメリカン・ギャングスター』(2007)でタッグを組んだ仲であり「『アメリカン・ギャングスター』は私の作品の中でも良い部類に入ると思う。1960年代から1970年代のハーレムを研究するのは面白かったし、デンゼルとの仕事もうまくいったからね。彼のことはよく知っているんだ」と振り返る。
それだけに、デンゼルに寄せる信頼は絶大。本作の予告編が公開された際には、デンゼルのニューヨーク訛りのセリフ回しが一部で話題になったが、スコット監督は「なるべく訛りを抑えるようにと言うこともできただろうが、この映画の舞台はなんと言ってもローマ帝国が舞台だ。(だからといって)イタリア訛りで話してもらうのも見当違いだ。結局、デンゼルはあまりにも(演技が)うまいので、彼の訛りなんてどうでもよくなる。だからそのままやらせたんだ」と語る。
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