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「SHOGUN 将軍」日本人プロデューサーが求めた「正しい選択」 歴史的快挙の裏側&シーズン2の展望【インタビュー】

シネマトゥデイ 映画情報 / 2024年11月15日 12時10分

 「また、ジャスティン・マークス(企画・製作総指揮)が素晴らしいですよね。本当に才能のある脚本家兼ショーランナーで、 (「SHOGUN 将軍」と)相性がよかったことが考えられます。自分の文化ではない、自分の言葉ではないこのチャレンジを、こんなにもしっかりとコントロールしながら、明快なビジョンを持ちながら、自分がわからないことをしっかり聞き入れて受け止めて、好奇心を持ってストーリーに取り入れていく姿勢が、作品のよさにつながったと思います」

日本描写の変化を後押し

 前述したように、本作で真田を筆頭とするキャスト&スタッフが求めたのはオーセンティックな時代劇。日本文化・作法の描写に違和感がないよう、日本から各部門のプロフェッショナルを招聘し、綿密な時代考証が行われた。

 「何がこの作品にとって正しいのか。どういう作品が観客に広く受け入れられ、違和感なく楽しんでいただけるのか。このことを常に意識していました」と宮川は語る。「真田さんは数多くの時代劇に出演してきて、豊富な知識と経験値を兼ね備えています。時には、白黒はっきりしないこともたくさんありました。『歴史の先生はこう言っているけど、これをするとお客様がわからなくなる』『大河ドラマでは、ここはこんな風にやっていた』『アメリカの感性はこうだ』といったことを加味して、『SHOGUN 将軍』にとって一番正しい選択は何なのかを、こと細かく話し合いながら固めていきました」

 日本人がプロデューサーとして参加できたことも、日本描写を正しく届けることにおいてプラスに働いた。「かなり早い段階で指摘できたり、アウトラインの話し合いの席や脚本が上がってきた段階でも(間違っている箇所を)言うタイミングがありました。撮影現場では、プロデューサー用のテントがあり、モニターを確認しながら、寒い中何時間も座って、震えながらモニターを確認していました。(真田とは)信頼関係も築きますし、友情も育むことができました」

 宮川は、鬼才クエンティン・タランティーノ監督の『キル・ビル』(2003)で翻訳家を務め、マーティン・スコセッシ監督の『沈黙 −サイレンス−』(2017)では共同プロデューサーを務めるなど、ハリウッドにおける日本描写の変化を長きに渡って見届けてきた。「SHOGUN 将軍」の快挙は、その変化を「強く後押しする」と断言する。

 「北米では最近、多様性(ダイバーシティー)やプレゼンテーションという言葉をよく目にします。マイノリティーであったり、普段スポットライトが当てられてない人たちを描く時に、その文化だったり、その中にいる人の声をリスペクトして聞き入れて、正当にその画を描かなくてはいけません。もちろん、今でもそれができていないのではないかと思う作品も結構あります。そういう意味で、『SHOGUN 将軍』が本当に画期的だったのは、真田さんや私がプロデューサーとして発言権を持ち、早い段階から参加できたことで、ディティールまでこだわることができたこと。この規模感で日本を舞台にした作品だと、最後はディティール勝負になってくるので、それは本当に大きかったと思います」

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