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河合優実が最優秀女優賞 飛躍の一年「奇跡的な出会いに恵まれた」

シネマトゥデイ 映画情報 / 2024年11月30日 23時4分

 俳優の河合優実が30日、パルテノン多摩で開催された第16回TAMA映画賞授賞式に出席した。河合は『ナミビアの砂漠』『あんのこと』『ルックバック』『四月になれば彼女は』で本年度最も心に残った女優を表彰する最優秀女優賞を受賞。トロフィーを受け取ると、多忙だった一年を振り返った。

 河合は「TAMA映画祭に来るのは2度目です。すごく感謝しています。今年公開された作品についてはどの現場もまたこの先もこういう映画が作りたいと思えるような作品ばかり。作品への探究心や信念をたくさん見せてくれたキャストやスタッフに改めて感謝の気持ちを言いたいです」と喜び。「でも、わたしが感謝したい人の中に、この世界にすでにいない人もいます。その人のおかげで作れた映画がありました。この場を借りてその人に感謝を言いたいです。ありがとうございました」と続け、直接名前は出さなかったが、自分の作品と深く関わっていた故人にも感謝を表した。

 今後の抱負について、「ガザで起きていることやウクライナで起きていること、他の国で起きていることがたくさんあって、やっぱり痛みみたいなことが自分の中で増え続けています。そういう世界で、自分がものを作っているということで、それが世界にどういう働きかけになっているかを考え続けていきたい。それが自分にできる仕事だと思っています」と混沌とする昨今の政治情勢を踏まえ、この時代だからこその俳優としてのあり方にも持論を述べた。

 また、飛躍の年となった今年一年について「たくさん、いろんな場面があった一年だったんですけど、カンヌ映画祭に行かせてもらって、今まで出た作品をちゃんと観てくれている海外の方と触れ合うことができたのが嬉しかったです。自分が見えない人にも作品が届いているんだと実感できました。今年はいくつかの奇跡的な出会いに恵まれました。自分の心に残っていくような特別なもの作りの現場に立ち会えて良かったです」と振り返った。

 『ナミビアの砂漠』では山中瑶子監督が最優秀新進監督賞を、声優を務めた『ルックバック』の押山清高監督も特別賞を受賞した。山中監督は「河合さんの主演を前提にオリジナルの脚本を書きました。脚本を書く前から河合さんにお会いして、何度かお話をしました。これまでに見たことのない河合さんを撮りたいと思って書いた脚本です」と述べ、押山監督も「オーディションで誰を選ぶか、かなり悩むだろうと思っていたら、河合さんの一言目のセリフを聞いて、この子で行こうと、すんなり決まりました。河合さんを選ぶ苦労はありませんでした」と河合の存在感をそろって絶賛していた。

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