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柄本佑がたどり着いた「光る君へ」道長とまひろの関係

シネマトゥデイ 映画情報 / 2024年11月25日 18時2分

 第45回では、道長の懇願もきかずまひろは「これ以上、手に入らぬお方のそばにいる意味は、何なのでございましょう」「ここらで違う人生も歩みたくなったのでございます」と大宰府行きの決意を固くする。その後、道長は体調が思わしくなく、ついに出家を決意。妻の倫子(黒木華)は「藤式部がいなくなったからですの?」と問うていたが、柄本は出家を決めた道長にこう思いを巡らせる。

 「まひろがいなくなってからすぐに出家してしまうので、もうそうとしか思えないですよね。ただ、道長は倫子に出家の理由を尋ねられた時に“休みたい”と言っているんですね。とにかく疲れ果てた、もう嫌だと。大石先生が素晴らしいと思うのは、そんな地に足がついた感じといいますか。まひろがいなくなったショックもあるでしょうし、政治的なこともあったりするんだろうけど、“休みたい”というセリフに行くのがとてもいいなと。いわば立派ではない道長を今回作っていただいたっていう感じですかね。そこに助けられたところもあります」

 なお、剃髪のシーンでは実際に自身の髪を剃っているが、柄本は「不思議な感じでした」と振り返る。

 「剃り始めた時は別にどうってことはなかったんです。ショリショリ剃られているなーという感じで。“あっ、剃っているんだ”と実感したのは、髪が降ってきて手の甲に触れたときです。そこから一気にグッときて。作品の中でそんな体験ができるというのは、とても不思議な感じでしたね」

 出世しても、年を重ねても、まひろを強く思う気持ちは変わらない道長。そんな道長を演じてきて、柄本がたどり着いたのは……?

 「演じるうえで意識していたわけではないですけど、今思うと道長は“対まひろかその他大勢”っていうことになっていましたね。大石先生もおそらくそう目論んで書かれていると思いますし、実際に“道長はまひろとのことになると周りが見えなくなる”というようなことが書かれていたりして。ト書きにそういうことが書かれているのは珍しいことで(笑)。僕が演技で迷わないよう書いてくださったのだと思いますが、とにかくそういうふうに書かれていたこともあり、自然に“とにかくまひろ”という形になっていましたね」

 まひろが道長の依頼で「源氏物語」を書くために内裏に上がって以来、道長はしばしばまひろの局を訪れては娘たちのことなどさまざまな悩みを漏らしていたが、柄本はそうしたところからも「まひろがいてくれるだけで心強いんじゃないかなと思います。そばに(存在を)感じられるだけで」と感じたという。

 「道長がまひろの局を訪れるところは、割と生き生きしていますよね。愚痴を吐いているけど、まひろの顔を見るとほっとする、安心するというか」と続けるが、第44話では本編からカットされるかたちになったが、台本には「用はない。おまえに会いに来ただけだ」という道長のセリフもあった。

 最終回まで残すところ3回。まひろは大宰府に行き、道長は出家と人生の大きな転機を迎えるが、それぞれどのような終着点を迎えるのか。(編集部・石井百合子)

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