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「光る君へ」道長の男泣きは台本になかった チーフ演出が吉高&柄本、屈指の名シーン振り返る

シネマトゥデイ 映画情報 / 2024年12月16日 5時2分

 「まひろは道長があんなに弱っている姿を見たことがなく、相当なショックを受けている状況です。私からお願いしたわけではないのですが、そんなまひろの想いを汲んでくださったのか、吉高さんは涙を流された。でも道長を元気づけるためにやってきたわけですから泣いたままの顔で会うわけにはいかないので、一回涙を拭って気持ちを落ち着かせて“そんなに心配してないですよ”みたいな顔で『道長さま……』と声をかける。道長は、まさか彼女が来るとは思っていなかったのでその驚きと、弱っている姿を見られてしまった羞恥、そう見られまいとする思いが交錯して、一瞬少しかっこつけるような素振りを見せる。そのことも多分まひろはわかっているので、“体は大丈夫?”みたいなことは言わずに『宇治はよいところでございますね』と。対して道長は『川風が心地よい』と答えたので、まだ彼にも元気が残っているんじゃないかと受け止め外に連れ出す。細かい指示はしていませんが2人の心の流れを確認しながらシーンを作っていきました」

 幼少期に初めて出会った頃のように川辺に佇む二人。「誰のことも信じられぬ。己のことも……」といつになく弱音を吐く道長に、まひろは「もうよろしいのです。私との約束は。お忘れくださいませ」とその重責を慮るも、道長は「お前との約束を忘れれば、俺の命は終わる」と聞かない。そして「この川で2人流されてみません?」(まひろ)、 「お前は俺より先に死んではならん。死ぬな」 (道長)、「ならば道長さまも生きてくださいませ。道長さまが生きておられれば私も生きられます」(まひろ)とやりとりが続く。

 中島いわく、ここでもまひろが思っていることと言葉が一致しているわけではなく、特に「この川で二人流されてみません?」という、心中をもちかけるような言葉は複雑な感情をはらんでいる。

 「意図としては半分本気、ぐらいです。それを道長に対して、割と突き放すように言ってもらっています。このぐらい言わないと、この人は死んでしまうんじゃないかと。あえて悪い方向に持っていくことで、生き延びさせようとする。だけど、まひろ自身もあの時点で「源氏物語」を書き終えて書くことを一度やめていて、自分もやり終えた、もう命を終えてもいいという気持ちがあるんです。『この川で2人流されてみません?』と明るく言った後にまひろの表情が変わるのですが、これは吉高さんが自然とそうなったのではないでしょうか。一方、道長もまひろの言葉をそのまま受け取っているわけじゃなくて“こういう言い方をする女なんだな”とか、本心を感じ合える関係として描いています」

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