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マッツ・ミケルセン、『ライオン・キング:ムファサ』キロスの楽曲は10通り収録!デスストに続く歌唱「トラブルの連続」

シネマトゥデイ 映画情報 / 2024年12月22日 11時46分

 ディズニー超実写版『ライオン・キング』(2019)の前日譚映画『ライオン・キング:ムファサ』(全国公開中)で悪役ライオン・キロスの声を担当したマッツ・ミケルセンが来日インタビューに応じ、自身にとって最大の挑戦だったという歌唱シーンの裏側について語った。

 『ライオン・キング』の主人公シンバの父で偉大なる王・ムファサと、彼の命を奪ったスカーの知られざる過去を描く本作。キロスは、ムファサに恨みを持つ冷酷な敵ライオンで、兄弟の絆を結び、新天地を目指すムファサとタカ(後のスカー)を執拗に追い回す。

 ディズニー・アニメーション版『ライオン・キング』(1994)は、今年で日本公開30周年を迎えた。マッツは、世界中で愛される続ける『ライオン・キング』の魅力について、「シェイクスピアのようなドラマになっているからだと思います。『ライオン・キング』には友情、裏切り、王国の興亡といった、今も色褪せないテーマが込められています。どの世代も共感できる偉大な物語が語られているのです」と分析する。

 キロスは敵ライオンではあるものの、彼もまたムファサと同じように仲間のライオンたちを守る“リーダー”でもある。「偉大なリーダーは、歴史上を辿れば数多く存在します。キロスにとって、攻撃は最大の防御。のけ者にされたアルビノのライオンたちを探し出しては、外敵から守るために仲間に加えてきたんです。彼らも、他のライオンたちと同様に縄張りが必要でした。問題なのは、彼らは1か所では満足しなかった。更なる土地を求めているのです」とマッツはキロスにも彼なりの正義があることを説く。

 本作では、ディズニー映画の音楽を多く手がけるリン=マニュエル・ミランダが新曲を複数書き下ろしており、キロスの劇中歌「バイバイ」もその一つだ。「歌うことにすごく抵抗があった」とも明かしているマッツは、収録前に監督から歌唱サンプルを送ってほしいと頼まれたといい、「普段はビートルズくらいしか歌わないので、どうしたらいいかわかりませんでした」とアタフタしてしまったとのこと。「ロンドンのスタジオで収録した時は、たくさんの人に見られながらの収録だったので、プレッシャーがすさまじかったです。私は歌手ではないので、二日間の収録はとにかく必死でした」

 マッツといえば、『ライオン・キング:ムファサ』に参加する前、声優&モーションキャプチャーとして参加した小島秀夫監督の大ヒットゲーム「DEATH STRANDING」(デス・ストランディング)で子守唄を披露している。『ムファサ』が役者としての初歌唱という情報もあるが、マッツは「確かに! そうでしたね」と思い出したようにコメント。「あの時はララバイ(子守唄)でしたから。(『ライオン・キング:ムファサ』で初めての歌唱と)嘘をついていました。正確には、2度目でしたね。あの時は楽器もなく、私と携帯電話だけでした」

 楽曲収録の感想を聞いてみると、マッツは「トラブルの連続でしたよ」と笑って振り返った。「延々と録り直していました。『バイバイ』は、『bye-bye』という歌詞だけでもさまざまな言い方やニュアンスを試したりして、10通りは収録したと思います。スタッフがうまくミックスしてくれました」(取材・文:編集部・倉本拓弥)

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