『ウォレスとグルミット』クレイについた指紋が愛情の証 悪役復活の新作を監督が語る!
シネマトゥデイ 映画情報 / 2025年1月3日 17時12分
第82回ゴールデン・グローブ賞の長編アニメ映画賞にノミネートされているクレイアニメ『ウォレスとグルミット 仕返しなんてコワくない!』の配信がNetflixでスタートした。世界中に熱烈なファンを持つアードマン・アニメーションズの『ウォレスとグルミット』シリーズだが、意外なことに長編映画は、アカデミー賞長編アニメ賞を受賞した『ウォレスとグルミット 野菜畑で大ピンチ!』(2005)以来19年ぶりで、これが2作目となる。シリーズの生みの親であるニック・パーク監督と、共同監督を務めたマーリン・クロシンガムが、久々の長編作品の製作裏話を語った。
今作では、ウォレスが、グルミットの庭仕事を手伝う小型ロボット“ノーボット”を発明。同じ頃、ペンギンのフェザーズ・マッグロウ(短編『ペンギンに気をつけろ!』に登場した悪役)が、ウォレスとグルミットへの恨みを晴らすために陰謀を企み、ウォレスたちは思いもよらぬ危機に瀕することになる。
今作のアイデアが生まれたのはかなり前で、『野菜畑で大ピンチ!』を発表した2005年頃だったとパークは言う。「最初はグルミットの庭仕事を手伝うロボット・ノーム(庭に飾る陶器の人形)を作ったらどうだろう、という短編映画のための単純なアイデアだったんです。もちろん(ノームの)テクノロジーに問題が起きるわけですけど、それだけだと新鮮味に欠けます。それで、フェザーズ・マッグロウを思いついたんです。ウォレスとグルミットに個人的な恨みを持つ悪役の登場は、僕たちが抱えていたストーリーの問題を解決し、ストーリーの緊張度をぐっと高めてくれました」
フェザーズ・マッグロウが戻って来ることにはファンも大喜びだったが、実はこのキャラクターを作るのが、最大のチャレンジだったという。「とてもシンプルなキャラクターですが、すごく小さいので、彼のクローズアップを撮影する技術も、アニメーターたちが繊細で技巧を駆使した作業をするのも、本当に難しいんです。ほんの少しの動きで、多くを表現しないといけませんから」とパークは説明する。
長年の間に、モデルの素材の一部がシリコンになったり、撮影機材がデジタルスチールカメラになったりといった技術の進歩はあったものの、クロシンガムは「ストップモーションの核となる技術は、まったく変わっていません」と語る。今も小さなモデルを少しずつ手で動かしてコマ撮りするので、非常に手間暇がかかり、今作を作るのには約4年かかったそうだ。
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