『ロード・オブ・ザ・リング』一筋縄ではいかなかったアニメ映画化「騎馬戦も全て手描き」制作陣が語る苦労と挑戦
シネマトゥデイ 映画情報 / 2024年12月30日 12時10分
そして、神山監督の挑戦に賛同する仲間のアニメーターたちが集結。董プロデューサーは「途中で諦めて辞めていった人はほとんどいない」と明かした。「神山監督は、誰よりも現場にいる方です。監督に近い人たちも続いてくれて、どんどん仲間が増えていきました」
実写を意識したアニメーション制作
ジャクソン監督をはじめとする実写映画のスタッフは、企画の初期段階から参加していたという。本作は、ジャクソン監督が描いた中つ国で起こる物語であるため、「(実写映画と)リンクする部分はスパイス程度で散りばめています」と橋本プロデューサーは予告する。
実写映画とのつながりは、デザイン面にもある。三部作を製作したWETAデジタルが、当時のCGデータやデザイン画といった資料を提供しており、劇中に登場する建造物やクリーチャーは、実写映画と同じビジュアルだ。「ムーマク(=象に似た巨大な獣)の模様なども、全てWETAさんからの資料に合わせて作っています。WETAさんには設定の監修にも入っていただいたので、世界観を崩さないように制作しています。映画を観たファンの方々は、当時の合戦に似たような雰囲気を感じるかもしれません」(董プロデューサー)
神山監督をはじめ、アニメーターたちが最も苦労したのは2,000騎の馬が登場する騎馬戦のシーンだった。橋本プロデューサーは「騎士の国ローハンが舞台であるため、描く必要がありました。騎馬戦も全て手描きです。下手に逃げてしまうと観客はガッカリしますし、逆にたくさん見せるくらいの勢いで取り組みました」と振り返り、董プロデューサーも「神山監督は実写を意識していました。全てのショットにポーズを入れれば、写真になるように作りたいという意識が高く、実写のことをまずベースに考えていました」と神山監督のこだわりを明かした。
難関だった馬については、本物をモーションキャプチャーでスキャンすることが難しいため、役者が馬と同じ高さのダンボールにまたがり、その姿をCGと合体させて映像化していった。モーションキャプチャーを使用した狙いも、「実写の『ロード・オブ・ザ・リング』のようなシネマティックなカメラワークを再現するため」だったという。
立ち上げから3年、紆余曲折を経て『ロード・オブ・ザ・リング/ローハンの戦い』が完成した。「神山監督をはじめ、現場の人間がゼロから集まって作った作品です。できるだけ多くの人に観ていただきたいと、心から思っております。ストーリーテリングの良さはもちろん、純粋に人が手間暇かけた作品はこういったものだということを感じていただけると嬉しいです」と橋本プロデューサーは自信をのぞかせ、董プロデューサーは「神山監督が主導で、たくさんの国の方が参加したアニメーション作品です。これほど世界中の人が、日本のアニメのために一心同体になって制作したのは珍しいこと。その成果をチェックしてほしいです」とアピールしていた。(取材・文:編集部・倉本拓弥)
映画『ロード・オブ・ザ・リング/ローハンの戦い』は全国公開中
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