2024年後半の成功作・失敗作…期待のヒーロー映画で残酷なほど明暗
シネマトゥデイ 映画情報 / 2024年12月30日 7時15分
2024年もいよいよ終わり。昨年の俳優と脚本家のダブルストライキの影響をもろに受けた今年の映画興行だったが、盛り上げてくれる大ヒットもあった。その一方で、大きな期待にそぐわずファンをがっかりさせた作品も。今年7月から12月までに北米で公開された作品の、現地での成績表を見てみることにしよう。(数字は27日時点の Box Office Mojo 調べ、1ドル155円計算)(文:猿渡由紀)
アメリカで今年ボックスオフィスの首位を飾ったのは、ピクサーの『インサイド・ヘッド2』。だが、これは6月公開作品なので、前半扱い。後半での最大ヒットは、今年2位の『デッドプール&ウルヴァリン』だ。
製作費は2億ドル(約310億円)、北米興収は6億3,600万ドル(約986億円)、全世界興収は13億ドル(約2015億円)。ピクサー同様、マーベルもここのところ期待を下回る作品が続いていたので、6月と7月、立て続けにこれらの作品が成功したのは、ディズニーにとって素晴らしいニュースだった。『デッドプール&ウルヴァリン』は北米ではメル・ギブソン監督の『パッション』(2004)を抜き、R指定映画で史上最大のヒット作となった(※インフレ調整なし)。
ディズニーは、『モアナと伝説の海2』でも満足のいく結果を得た。製作費は1億5,000万ドル(約233億円)、全世界興収は今のところ8億ドル(約1,240億円)だが、クリスマスから年末年始にかけてのかきいれ時にもっと数字を上げるのは確実。喜びはますます膨らむことだろう。
ユニバーサルは、『ウィキッド ふたりの魔女』と『野生の島のロズ』を成功させた。前者はブロードウェイミュージカルの映画化作品。製作費は1億5,000万ドル(約233億円)、全世界興収は今のところ5億8,600万ドル(約908億円)。これからのホリデーシーズン、そして来年3月に公開を控える日本で、どこまで数字を伸ばしていくか注目される。2部作のパート1で、上映時間は2時間41分もあるが、観客、批評家ともに満足度は抜群で、オスカーでも大健闘しそう。アニメーション映画『野生の島のロズ』は7,800万ドル(約121億円)の予算に対し、これまでに全世界で3億2,400万ドル(約502億円)を売り上げ、すでに続編にゴーサインが出ている。賞レースでも健闘中だ。
パラマウント作品では『ソニック × シャドウ TOKYO MISSION』と『スマイル2(原題) / Smile 2』、ワーナー作品では『ビートルジュース ビートルジュース』がヒット。『ビートルジュース~』は、日本を含む海外ではそうでもなかったのだが、北米では大歓迎を受け、3億ドル(約465億円)近くを稼いでいる。製作費は1億ドル(約155億円)、全世界興収は4億5,000万ドル(約698億円)だ。
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