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被爆者救護にあたった看護学生の青春描く『長崎ー閃光の影でー』公開決定

シネマトゥデイ 映画情報 / 2025年1月17日 17時32分

 原爆投下直後の長崎を舞台に、被爆者救護にあたった若き看護学生たちの青春を描く映画『長崎ー閃光の影でー』が、8月1日より全国公開されることが決定した(7月25日長崎先行公開)。菊池日菜子、小野花梨、川床明日香が出演し、被爆三世である松本准平監督がメガホンを取る。

 本作は、原爆被爆者を救護した日本赤十字社の看護師たちが、被爆から35年後にまとめた手記「閃光の影で-原爆被爆者救護赤十字看護婦の手記-」を基に脚本を執筆。看護師たちの体験を基に、脚色を加えながら生み出された3人の10代の少女たちが、“あの夏”に体験した物語がつづられる。

 空襲による休校のため、長崎に帰郷してきた幼なじみの看護学生、スミ、アツ子、ミサヲ。1945年8月9日11時2分、長崎市に原爆が落とされたことで、彼女たちの日常は一変する。地獄絵図と化した街で、未熟ながら看護学生として、人として使命を全うしようとする彼女たち。一瞬にして青春を奪われ、残酷な現実にとってかわられながらも、懸命に生き、命と向き合うことを諦めなかった彼女たちの視点で原爆投下当日から1か月間の救護活動の日々を克明に描き出す。

 本作が映画初主演となる菊池が演じるのは、久しぶりに帰郷した長崎で過酷な体験をすることになる、看護学生の田中スミ。さらに、人一倍強い信念を持って被爆者救護にあたる同級生の大野アツ子を小野が、クリスチャンである自らの信仰心と現実のはざまで葛藤する岩永ミサヲを川床が演じる。

 長崎出身で被爆三世である松本監督は、保木本佳子と共同脚本も担当。いつか原爆を題材にした映画で戦争の愚かさについて描き、平和を訴えたいというかねてよりの願いが、長編6作目となる本作で実現した。松本監督は公開決定に際して「被爆した亡き祖父のこと、見守り育ててくれた多くの被爆者の方々に想いを馳せながら、この映画に取り組みました」とコメントを寄せている。プロデュースを手掛けるのは、長崎原爆投下の前日を描いた黒木和雄監督作 『TOMORROW 明日』(1988)のプロデューサーでもある鍋島壽夫。『TOMORROW』のその先へと続く原爆投下“後”の物語を今こそ語るべきであるという強い想いが、松本監督との出会いで結実した。

 キャスト、スタッフのコメント全文は以下の通り。

菊池日菜子(田中スミ役)

どれだけ資料を読もうとも、どれだけ想像を膨らませようとも、当時に辿り着けない不安と闘う日々。
これまでのお芝居で得た経験のどれにも、安心できる材料はありませんでした。
そんな中で自分にできることは考え続けること。
役者としてではなく一人の人間として在るべき時間を過ごすことができた、スミとしての記憶を丁寧に大切に抱えていたいです。
松本監督をはじめ、映画『長崎ー閃光の影でー』に関わる全ての方々への感謝と敬愛を込めて、これからを精一杯生きていきます。
終戦から80年が経つ2025年の夏。 私たちが生きた1945年の夏をぜひ劇場で観ていただきたいです。

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