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『室町無頼』大泉洋のアンチヒーローは黒澤映画やマカロニウエスタンをイメージ 入江悠監督が舞台裏明かす

シネマトゥデイ 映画情報 / 2025年1月19日 12時32分

 「最初に脚本を書き、大泉さんに正式に演じていただけるということになったことで、少しずつ大泉さんに寄せて書き直していきました。原作では兵衛が一揆の頭としてみなを束ねていくヒロイックな主人公なのですが、大泉さんが演じることで、どこかひょうきんと言うか、人懐っこさを前に出していきたいなという思いはありました」

 その意図について、入江監督は「原作だと兵衛以外のキャラクターも結構笑える描写があるのですが、この映画では、そういう部分をすべて大泉さんに集約させたんです」と明かすと「兵衛の衣装に関しても、室町時代ということであまり選択肢はなかったのですが、裾の長さなど細かいところまで大泉さんと相談して仕立てていきました。一揆の話なので、後半はどうしても群衆のなかに紛れてしまう。その中でどう目立たせるかというのは、すごく考えました」と語る。

荒廃した世界観は『マッドマックス』や『北斗の拳』がヒントに

 入江監督は、応仁の乱前の荒廃した雰囲気を出すために「『マッドマックス』シリーズ的な、荒廃した近未来みたいなイメージを持ち込んだんです」といい「大泉さんからは『“北斗の拳”のキャラクターみたいな感じはどうかな?』という提案をいただきました。お互いこれまで見てきた“荒廃した世界”みたいなものを持ち寄って共有していきました」とヒントとしてイメージした作品を挙げる。

 昨年12月に行われたジャパンプレミアでは、殺陣で満身創痍となったエピソードを披露していた大泉。それほどハードなアクションシーンが作品の大きな見どころになっているが、入江監督は「大泉さんが『映像の殺陣はあまり経験がない』と話していたので、こちらが思い描くところまでたどり着けるのか……」という不安があった。しかし大泉は「秘密の特訓をしてくる」と言い残し、次に現れたときは「格段に良くなっていた」と入江監督も驚いたという。

昭和の時代劇やマカロニウエスタンも参考に

 “荒廃した世界”として『マッドマックス』や『北斗の拳』という作品を挙げていたが、兵衛自身のイメージは、昭和の時代劇を参考にしたという。

 「最近の時代劇で描かれる武士階級の人って、折り目正しい人が多い印象があるのですが、昭和の時代劇って結構いい加減な主人公が多かった。分かりやすい例でいうと、黒澤明監督の『用心棒』(1961年)では、三船敏郎さん演じる浪人の桑畑三十郎は、利害関係だけで世を渡っていく。あとはいわゆる“股旅物”(※侠客や博徒などの主人公が各地を流れ歩く義理人情の世界を描いた映画)と呼ばれる作品がありましたが、根無し草的な主人公は兵衛のイメージに近いのかなと思いました」

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