耐久低いチューンドカーで耐久レースをやってみた時代があった
clicccar / 2017年3月10日 11時54分
1981年、この時代、一般人&車による、サーキットでのスターティンググリッドからのよーい、ドンッ!レースは、なぜだか禁止されていました。そんな時代ですが、怖いもん知らず?のOPTIONは筑波サーキットにて、しかもチューナードライブによるチューニングカーのガチンコバトルレースをやったのです。今では毎週、どこかのサーキットでこのテのレースが普通に行われていますが、この時代は画期的だったんですヨ。
今、筑波サーキットではチューニングカーのタイムアタックが熱く行われており、1分切りどころか50秒台当たり前のタイムになっています。クルマもですが、タイヤも物凄い進化を遂げているからでしょうね。でもこの時代の筑波アタックはどんな感じだったのでしょうか。
エントリー車は12台。30分×1、15分×1で行われ、出走条件はチューニングカーならなんでもOK。では、熱きバトルを見ていきましょう。
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雨宮RX-7・13Bが、トラスト・セリカXXツインターボが、RSヤマモト・Zが攻める! この時代、耐久的には信頼性が低かったチューンドカーの実力を試す!
RE雨宮は一足早くサーキット入りし、午前中のフリー走行を利用し、セッティングを完全に終えている。他マシンもタイヤ交換やゼッケン貼りなど、レース前のあの雰囲気そのものだ。
[スタート前のドラミ。左からふたりめが雨さん、6人めがTRUST大川さん、他の方は・・・??]
レースは30分ずつ2ヒート制(の予定だった)。チューンドカーにとってこれは、耐久以外のなにものでもない。最高速やゼロヨンではなく、レース場でいかなるポテンシャルを発揮するのか、興味は尽きない。
RE雨宮自動車・RX-7 13Bサイド
<第1ヒート> スタートミス! スピン!! 大波乱のファーストラップ!
各チューナーが火花を散らす雰囲気の中、マシンはスターティンググリッドに並んだ。エンジンをブリッピングさせる各車は、いささかヒート気味。その迫力、緊張感はまぎれもないレースだ!
第1コーナーへの全車の突っ込みは、凄まじいばかり。車間50cmにも満たないダンゴ状でS字に向かう。F1並みの迫力だ(危なさからいったら・・・F1以上?)。
トラスト・セリカXXツインターボ
トップは白いトラストXXターボ。が、予選でリヤのスリックタイヤ2本をバーストさせP7に履き替えているため、オーバーステアが凄い! フルカウンターを切ったセリカのテールに接するように、吉田SR311、スターレットをかわした雨宮RX-7が食らいついている。あろうことか、ポールポジションの雨宮は、スタート時ギヤをローに入れ忘れたのだ!
カーショップ311・SR311
クラッチトラブルで予選未出走、最後尾からのマウントチューン3L・zは、下位をゴボウ抜きにし、あっという間に7番手に浮上してきた。
S字で雨宮RX-7は吉田SRのインを差し、鮮やかに抜いた。ブレーキング競争だ! ここで吉田SRは勢いあまってスピン!
マウント・フェアレディZ
後続マシンは巧みにクリアするが、初筑波のデイトナ3L・Zは避けきれずにスピン! ヘアピンのイン側にテールからコースアウト。ドライバーはコースに戻そうとするが、スタックして出られない。リタイア1号だ。
カーマニア・デイトナ・フェアレディZ 3L
先頭のトラスト・セリカと雨宮RX-7は、すでに後続に3車身の差をつける。後方集団は、マウントZ、藤川RX-7プロダクション仕様、トラスト・ソアラ、小宮ランサーと続く。OPT・Zはどうした? なんとドライバーのDaiはブレーキがノーマルのため、わざとスタートを遅らせ最後尾につけたのだ。トラストXXのスリップに入った雨宮RX-7は、最終コーナーで勝負に勝利!
3周め、3位につけていたRSヤマモトZがピットイン。クラッチスリップによりリタイア2号だ。中段、初サーキットというエッセンシャルRX-7の増岡が大健闘! ストリートレーサーの増岡は、予選こそ冴えなかったが、本番ではメキメキとタイムを上げ、トップの雨宮RX-7に迫るタイムを叩き出し、上位へと躍進してきた!
RSヤマモト・フェアレディZ 3L
9周め、このエッセンシャルRX-7は3位マウントZを追撃、抜きつ抜かれつの激しいバトルを展開。まさにストリートZ VS. RX-7の対決だ。が、12周め、マウントZはオーバーヒートでペースダウン、そのままリタイア。水温計は振り切っていた。タイヤがつらいトラストXXは4番手に後退、それにエッセンシャル・スターレット、藤川RX-7、小宮ランサーが堅実に続く。OPT・Zはコーナーで燃料が来ない、というトラブルを抱え、苦戦をしいられている。タイヤ温度上昇に気を使っていたトラストXXは、タイヤ温度が下がったと判断するやいなや、猛然と2番手エッセンシャルRX-7を追撃しはじめた! 21周め、ついにXXはRX-7を捕らえた。さすがにベテラン、トラストは、競り合いには強い。
そして、トップの雨宮RX-7が25周めに突入したとき、レース開始後30分が経過した。チェッカー! 笑顔でマシンを降りる雨さん、これを迎える若い衆。他のどのチームよりも早くサーキットに来て、スポーツ走行で走り込んだ雨宮だ。そこには嬉しさもあったが、当然勝利!といったプライドも感じられるシーンだった。
エッセンシャル・RX-7 13Bサイド
<第2ヒート>雨宮RX-7、再び余裕の独走! 各車の安定した走りも印象的!
こたや園芸・RX-7 筑波プロダクション仕様
エンジン、タイヤ、ガスなどのチェックが終わるやいなや、直ちに第2ヒートのスタートが迫る。ドライバーが一息入れる余裕もない。コース上のマシンは7台。1周めのスピンで第1ヒートを棒に振ったデイトナZも最後尾だがしっかりグリッドについている。ポールポジションの雨宮RX-7の横には、トラストXX、2列めにはこやた園芸とエッセンシャルの2台のRX-7が、3列めにエッセンシャル・スターレットと吉田SR311が牙をむく。
エッセンシャル・スターレット1.5L
第2ヒート、スタート! ドライバーを雨さんから井上ハルオに交代した雨宮RX-7が好ダッシュを魅せた。タイヤに泣くトラストXXは、おとなしいスタートだ。この2台に割って飛び出したのが、気を吐くエッセンシャルRX-7と吉田SR。手に汗握るのは、安定した走りを見せる雨宮RX-7の後方、2番手争いだ。吉田SRがエッセンシャルRX-7に激しく襲い掛かる。純筑波仕様の吉田SRに対し、ラジアルタイヤ装着のストリート仕様エッセンシャルRX-7、ポテンシャルの高さを見せ付けるバトルだ。
小宮ランサーターボ 1800GSR(ノーマル)
ヘアピンをキレイにドリフトして回っていく各マシン。そして迎えた13周め、残念ながら、早くも制限時間が迫った。15分30秒、トップの雨宮RX-7が最終コーナーを見事なドリフトで立ち上がる。チェッカー! 雨宮RX-7の平均速度は、101.446km/h。ブッちぎり勝利だ。2位には吉田SR311、そして3位には大健闘のエッセンシャルRX-7が入った。トラストXXは、タイヤをいたわり、ステディな走行に終始して4位を確保した。
トラスト・ソアラ ツインターボ(AT)
かくしてOPTIONチューンドカー耐久レースは終わった。各車とも、お遊び気分など微塵も無い、激しい走りを展開。何台もがきわどいスピンシーンを演じ、またあるマシンはメカトラブルで無念の涙を呑んだ。が、それがレースというもの。各ストリートマシンは、その耐久性はもちろん、総合的なバランスや完成度の高さを十分に証明してくれたといっても過言じゃない。レース修了後、ほとんどのマシンは、再び自走で帰路についたのだ!
[この日、春一番の風が巻き上げ、砂嵐のような砂塵が舞い上がっていたようです。写真を見ただけで・・・目が痛い!]
<筑波チューンドカーレース総合結果>
1位 RE雨宮自動車・RX-7 13Bサイド Dr. 雨宮勇美/井上ハルオ
2位 トラスト・セリカXXツインターボ Dr. 人見隆作
3位 エッセンシャル・RX-7 13Bサイド Dr. 増岡正浩
4位 エッセンシャル・スターレット1.5L Dr. 柳高宏
5位 こたや園芸・RX-7 筑波プロダクション仕様 Dr. 藤川基生
6位 カーショップ311・SR311 Dr. 吉田文雄
7位 小宮ランサーターボ 1800GSR(ノーマル) Dr. 小宮延雄
8位 OPTION・フェアレディZ Dr. Dai稲田
9位 カーマニア・デイトナ・フェアレディZ 3L Dr. 大嶋俊夫
10位 マウント・フェアレディZ(予選不出場) Dr. 山内障郎
11位 RSヤマモト・フェアレディZ 3L Dr. 三上英樹
12位 トラスト・ソアラ ツインターボ(AT) Dr. 岩田邦夫
[まったく活躍の場がなかった、Daiちゃん操るOPTION・Z、ノーマルブレーキに、泣く・・・。]
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個々のマシンチェックは、画像をアップにしてチェックしてください。この記事の約10年後、OPTは場所とチューニングショップとマシンを大幅にチューンアップし、チューナーズバトル(東日本編/西日本編)を行っています。その模様は、また後程・・・。
[当時の筑波サーキット、なんだか懐かしいデス。]
[OPTION 1982年5月号より]
(Play Back The OPTION by 永光やすの)
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