ふと考えてみた。新型スープラの価格690万円は高いのか? あのクルマと比べるとどう!? 

clicccar / 2019年6月20日 11時3分

■ ●690万円というスープラSZの価格は「高いけど高くない」?

17年ぶりの復活とか、BMWと共同開発とか、生産はトヨタもBMWでもない工場とか、歴代初の4気筒モデルがあるとか、ロゴの「S」はニュル(「スポーツカーの聖地」と言われるドイツの過酷なサーキット)のコーナーをモチーフにしているとか、クルマ好きの間ではいろんなことが話題になっている新型スープラ。いずれにせよ注目すべきは、自社開発・自社生産にこだわらることよりもこのタイミングでスポーツカーをリリースしてきたトヨタの心意気です。

アウディが「TTの次期型はない」と宣言し、メルセデス・ベンツも「SLK」を廃止する方向で動いているなどの状況を見てもわかる通り、はっきりいって昨今のスポーツカービジネスを取り巻く環境は厳しいもの。そんななか、完全自社開発ではないとはいえ、本格スポーツカーのリリースに漕ぎつけたトヨタはやはり評価すべきと思います。スポーツカーが「ない」より、たとえ他社と協業であっても「ある」ほうがいいですから。

ウインカーレバーが左側についているからダメ!なんて視野の狭いことを言っている場合ではないのです。

さらにいえば、自社単独開発にこだわらなかったのはトヨタの新しい方向性を示しているような気がします。トヨタは北米でマツダのコンパクトカーを自社ブランドで販売し、インドではスズキ車をトヨタ車として販売しています。メーカーのアイコンとなるスポーツカーでさえ、スープラをBMWと協業する前から86をスバルと共同開発するなど、「自社によるクルマ作りにはこだわらない」という考え方なのでしょう。

同社の豊田章男社長は「100年に一度の自動車産業の変化が訪れている。トヨタはサービス業になる」と言っていますが、自社開発自社生産にこだわらないのはその流れなのかもしれません。

というわけで、本題いきましょう。

新型スープラの6気筒エンジンを積むグレード「RZ」の価格は690万円。確かにこの価格は高価ですが、とはいえ驚くほど割高なのでしょうかね?

たとえば、スープラと基本メカニズムを共用するBMWのZ4。そのトップグレードでありスープラRZと同じ3.0L直列6気筒ターボエンジンを積む「Z4 M40i」の価格は、835万円。スープラより145万円も高いんです。スープラに比べると電動トップ代が上乗せされているとはいえ、スープラが割安に思えます。

じゃあ、トヨタの身内と比べてみたらどうでしょう?

トヨタブランドでは高出力のFRスポーツカーがありませんが、プレミアムブランドである「レクサス」には「RC」というスポーツクーペが存在。3.5Lの自然吸気V6エンジンを搭載するトップスポーツモデル「RC350 “F SPORT”」の値段は707万円。なんとスープラRZよりも高額なプライスタグなのでした。

両者ともエンジンは6気筒だし、トランスミッションは8速AT。ナビや通信ユニットだって標準装備です。アルカンタラ&レザーのシート表皮としているスープラRZに対してレクサスRC350 “F SPORT”はレザーシートを標準装備ですが、スープラにオプションでレザーシートを装着しても8万円アップの698万円なのでまだ安い。

さらにいえば、スープラRZのブレーキはBrembo製のモノブロックキャリパーで、デフもオープンデフを標準(オプション価格4万3200円でトルセンLSDを設定)とするレクサスRCに対して電子制御式のアクティブデフを備え、オーディオもJBLのプレミアムタイプが標準と装備も充実しているのも見逃せません。

高いと思われがちなスープラRZですが、実際に比較してみると意外にそうでもなさそうですね。

では、4気筒モデルはどうか?

スープラのベーシックグレードで197psの4気筒ターボエンジンを積む「SZ」は490万円ですが、245psの4気筒ターボエンジンを搭載するレクサスRC300の価格は556万円。出力では多少劣りますが、価格的にはスープラSZが有利です(66万円あれば制御プログラムを交換して出力アップしてもお釣りがくる!)。

258psの4気筒ターボエンジンを搭載するスープラ「SZ-R」は590万円で、レクサスRCにおいて2.0L 4気筒ターボエンジンを積むトップスポーツグレードの「RC300 “F SPORT”」が608万円で、僅差とはいえスープラ優勢です。

ちなみにBMW Z4と比べると、4気筒モデルの価格は566万円から665万円でもちろんスープラのほうが割安。しかも、Z4の4気筒エンジンは197psとスープラでいう「SZ」と同じベーシック版です。

というわけで、「高い」といわれることが多いスープラだけど、実際に比べてみたらそうでもなかったという話でした。性能に関しては、6気筒モデルであれば“ポルシェ・ケイマン級”。世界第一級のスポーツモデルと考えれば、さらに割安な気がします。

もちろん、じゃあ買えるのか?と尋ねられれば「YES」と即答できるわけではない(というか逆立ちしても厳しい)のですが……(涙)

(工藤貴宏)

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