スーパーハイトワゴンの軽自動車でも、安定した走りと高い安心感はピカイチ!【新型ダイハツ・タント試乗記】

clicccar / 2019年8月14日 16時5分

■ ■軽自動車の装備を、軽自動車の価格で

●低床設計と高めのシート高はお年寄りや子供にも使いやすい

今は違うけれど昔は軽自動車に乗っていて、「そろそろ軽に戻ってみようかな」という、いわゆる「ダウンサイジング」派は少なくないようです。いっぽう、街でよく見かけるホンダN-BOXをディーラーで試乗してみたら、見た目も内装も立派だし、走りだって静かで快適性は驚くほど高い。それならと見積もりを出してもらったら、乗り出しコミコミで250万円!などという話も耳にします。

新型ダイハツ・タントは、登録車も含めて日本で一番売れまくっているホンダN-BOXと同じ、軽スーパーハイトワゴンにカテゴライズできます。しかし「軽自動車の装備を、軽自動車の価格で」提供することを狙った点で、N-BOXとの差別化を図っているといえます。

軽のスーパーハイトワゴンの市場を開拓したのは、初代ダイハツ・タントともいえるでしょうし、三菱のミニカトッポという人もいるかもしれません。後者は、頭上空間こそ確かに広いものの、空間の有効活用などはできていなかったようにも思えます。

初代タントを軽スーパーハイトワゴンの元祖とすると、過去3代にわたって築き上げていた室内と荷室の高さなどはもちろん、超ロングスライドが可能な運転席による乗降性の向上、安全装備の最新バージョンへの変更など、次世代プラットフォームである「DNGA」でないとできない点が数多く盛り込まれていて、それは福祉車両の設計にも及んでいます。

走り出す前に運転席や後席に乗り込むと、低床設計と高めのシート高による乗り降りのしやすさに気がつきます。N-BOXよりも座面の高さを低く抑えることで、小さな子どもやお年寄りが乗り降りしやすいのは新型タントでしょう。

運転席からの視界はワイドで、しかもすっきりしています。左右の死角を減らすことで安心してステアリングを握れる設計になっています。

比較的アップダウンの多い郊外路で走り出すと、背が高いにも関わらず、コーナーでボディがグラリと大きく傾くことなく、重心も低くて意外にしっかりしているのが印象的。もっと背の高い超スーパーハイトワゴンであるウェイクは、直進安定性や横風などの外乱解消を重視したためか、コーナーでは曲がりにくく感じることもありますが、新型タントは足腰がしっかりしているようなコーナリングを披露してくれます。走り云々するようなモデル(クラス)ではないにしても、安心感の高さは歓迎できます。

また、ベルトに加えてスプリットギヤを組み込んだ新開発CVTによる変速フィールも、CVTにありがちな音と加速のズレが起きにくく、発進時から欲しい加速が引き出せます。なお、NAとターボエンジンでは、最大トルクが92Nmから100Nmに引き上げられたターボの走りが当然ながら力強く、アクセルを踏む量もそれほど要りません。複数で乗る機会が多く、荷物が多かったり、長距離も走ったりするのであれば、ターボを選択したいところ。

なお、タイヤサイズは、ノーマル仕様の14インチ(155/65R14)と、「カスタム」の15インチ(165/65R15)があり、後者の方がボディの揺れが少なく、よりフラットライドという印象を受けました。14インチタイヤ装着車は、大小問わず揺れが収まるのが長く感じられます。15インチ装着車の方がより高価なダンパー(硬めのチューニングも)が使われているそうで、その影響もありそうです。

(文/塚田勝弘 写真/長野達郎)

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