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寝取った男を本気にさせる“知らないおっさん力”とは…【カレー沢薫 アクマの辞典 第5回】

ココロニプロロ / 2017年12月7日 11時45分

寝取った男を本気にさせる“知らないおっさん力”とは…【カレー沢薫 アクマの辞典 第5回】

OL兼漫画家として活躍するカレー沢薫さんの連載コラム「アクマの辞典」
このコラムは、ア行からワ行まで、女や恋愛に関する様々なワードをカレー沢さん独自の視点で解釈していきます。女の本性をあぶりだす新しい言葉の定義をとくとご覧あれ!

■第5回 アクマの辞典 ナ行

今回は「ナ行」から「寝取り」である。

みんな、寝取ったり、寝取られたり、または自分が「単身赴任中に貞淑な妻が知らないおっさんの肉便器にされてました」の肉便器側になったことがあるか。

寝取られ経験については気づいてない可能性もあるが、少なくとも私は、寝取りと肉便器はやったことがない。
エロゲーの世界では「晴れのち曇り」ぐらいよく起こることだが「寝取り」というのは現実でやるには意外と高度なことなのである。まず「寝取る」とはどういう意味なのか。

【寝取る】他人の配偶者や恋人と情を通じて、自分になびかせること。

文字通り寝ただけではなく、その行為により気持ちまで奪わなければならない。
よって、寝るビフォア時点では相手にとってはただの浮気かもしれない、だがアフターには「俺、こいつのこと彼女より好きかも」と思わせないといけないのだ。

つまり、かなりセックスにかかっている。貞淑な妻を肉便器に変える知らないおっさん力が求められるのである。
寝さえすれば、こちらに情がうつるはずなどと思うのはおイッヌ殿の発想であり、それではいつまでもセカンド、サード、ホームに戻って1点入ってしまうぐらいの、予備扱いだ。

そもそもセックスしているという条件は、正妻も同じだし、むしろ向こうのほうがメチャクチャセックスしている、条件が同じそれどころか数の利が相手にあるなら、質で勝負するしかあるまい。
黒ヒョウがいても気づかぬような暗室で行われる旦那との週一正常位しか知らなかった貞淑な人妻に、パロスペシャル※みたいな体位をかまして「もうあなたなしじゃ生きていけない」と言わせなければならぬのだ。

つまり寝取りが出来るというのは、かなりのモブおじさん力、万人にわかるように言えば、セクシャリティな能力、魅力が高いということである。
こんな誰でも持っているわけではない力があるというのに、わざわざ「セックスで心が左右しちゃう男」と付き合うなんてもったいないことである。
仮に自分が「寝取り」に成功して、その男と付き合いだしたとしても、もうその時点で相手は、浮気をするタイプであることがわかっているし、さらにセックス如何で心まで動くタイプだと大判明しているのだ。
自分が取ったということは、もっとスゴ技の女に取られる可能性があるし、逆に拙い女に魅力を感じてそちらにいくこともある、とにかくセックスで取った男はセックスで取られることがあるし、その男はセックス如きで取れる男なのだ。

もったいない。
どうせ男と付き合うのなら、知らないおっさん側ではなく、貞淑な妻にパロスペシャル※をかけられる旦那、の地位を目指したほうが良いだろう。

※パロスペシャルとは、プロレス技のひとつ。

【ナ】
▶ 「ナース服」(なーすふく)

仕事内容人間関係のハードさがトップクラスな戦場で生きぬき、また収入的に男いらず、離婚暦があるものが多い戦闘集団が着ているユニフォーム

【ニ】
▶ 「苦手な女」(にがてなおんな)

周囲に言質を取られる危険性を考慮した上で表現された「嫌いな女」のこと、「悪い人じゃないけど苦手」等さらに逃げ道を作った言い方もある。

【ヌ】
▶ 「沼」(ぬま)

所在地が二次元か三次元かで幸、不幸が真逆

【ネ】
▶ 「寝取り」(ねとり)

武勇伝と勘違いしている者もいるが、逮捕歴と同じぐらい言わないほうがよい

【ノ】
▶ 「惚気」(のろけ)

別れたとき周囲に爆笑されるための前フリ

プロフィール

カレー沢薫
OLであり漫画家、コラムニスト。1982年生まれ。2009年に『クレムリン』(講談社)で漫画家デビューを飾る。秀逸な言語感覚で繰り広げられる切れ味鋭い世界観が人気。こよなく猫を愛し、猫が登場する作品も多数。最新著作『ブスの本懐』(太田出版)を2016年11月16日に発売。

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