1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. ライフ
  4. ライフ総合

自虐系はオワコン? 他人の自信を奪おうとする奴は殴ってよし【カレー沢薫 アクマの辞典】

ココロニプロロ / 2019年2月7日 16時55分

写真

漫画家として活躍するカレー沢薫さんの連載コラム「アクマの辞典」
このコラムは、ア行からワ行まで、女や恋愛に関する様々なワードをカレー沢さん独自の視点で解釈していきます。女の本性をあぶりだす新しい言葉の定義をとくとご覧あれ!



■第27回 アクマの辞典 ザ行



【ジ】
➤ 「自己肯定感」(じここうていかん)

…今後、肯定力に実力が追いついてない問題が深刻に

今回のテーマはザ行から「自己肯定感」である。

私の文章はよく「自虐系」と言われるのだが、正直そういうノリはもう流行らないだろうし、むしろこれから「うちの子が真似したらどうするんですか」と怒られる側になっていくと思う。

つまり売れもしない内から芸風がオワコンになるという、2019年の目標は「転職」に決定なのでは、という状態だ。
だが冷静に考えたら私は無職だった。無職ほど世相に振り回されない安定した職業はない、悪いが今年も安泰である

何故自虐がもう流行らないかというと、今は無駄な謙虚さより最初に言った「自己肯定感」のほうが大事だからである。
日本人は諸外国の人々に比べて自己肯定感が低いと言われている。
何故そうなったかと言うと日本には「自信満々な奴はその自信がなくなるまでハンマーで殴って良い」という法律があるからだ。
目の前で人が屠殺されれば誰だって「俺はハゲだし嫁はブスです」と卑屈なまでに謙虚になってしまうだろう。

しかし、それはもう古い。そうやって他人の自信を奪おうとする奴こそ、ネイルハンマーの釘を抜く側で殴ってやるべきだ、という声がだんだん大きくなってきているのだ。
自分の価値は他人が決めるものではない、どれだけ自分が自分を認めてやれるかのほうが大事だということである。

つまり、人様に向かってブスだデブだと言ってくる連中なんぞに認められることなんかより、鏡に映った自分を見るたびに「どうして石原さとみがこんなところに?」と思えるようにしたほうが良い、ということだ。

つまり鏡に石原さとみの写真を貼れば解決である。

もちろん個人が「俺は誰が何と言おうと卑屈で行く」「はじめましてチンカスです」という方向性で行くなら止める権利はない。
しかし自信のある人に対し他人が「もっと謙虚になれ」「身の程を知れ」というのはもはや、大きなお世話な世の中なのだ。

だから私も、あまり自虐的なことを書きすぎると、親御さんたちから「うちの子のセルフリスペクトがロストしたらどうするんですか」と怒られるかもしれない、ということである。

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

複数ページをまたぐ記事です

記事の最終ページでミッション達成してください