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苦しみを乗り越えたときに得られる、本物の幸福とは【石井ゆかりの幸福論】

ココロニプロロ / 2019年11月25日 18時55分


第5ハウスのテーマ「愛と創造」は、自分から選び取った苦労と、そのかなたにある本物の喜びを指し示しているようにも思われます。

自分では思い通りにならない他人の心、人生の展開、広いこの世界。
そこに自分から何かをつかもうと必死に飛び込んで、何かに出会い、「自分を超える何か」をつかむことこそが、愛や創造というテーマなのではないかと思います。
愛と創造は、「自分」のちいさな枠組みを超えて、限りなく広い外界と自分を結びつけるような営為なのです。


多くのアーティストが、自分の最高傑作と言えるものを前にして「自分が作ったような感じがしない」「何かが降りてきて、これができた」という言い方をします。
恋愛もまた、その人の「自分」という感覚を、大きく変えてしまいます。
恋をしたとき、多くの人が「自分が変わってしまった」と感じます。
誰かに愛されたとき、自分の存在が世界から「発見された」という感覚が生まれます。
恋人や愛する人は、一人の個人でありながら、その人の向こうに広がる世界への「扉」のような意味を持っているのです。

生みの苦しみを超えて、愛の苦悩を超えて、「自分以外のものと自分が結び付き、広い世界のほうへと自分がひらかれていく」ような出来事が、「愛と創造の幸福」なのかもしれません。
単に「天から降り落ちてきた愛」だけでは、私たちの幸福には、決定的に足りないものがあるのです。


>>次回もお楽しみに(12月25日更新)


プロフィール


石井ゆかり
ライター。星占いの記事やエッセイなどを執筆、「12星座シリーズ」(WAVE出版)は120万部のベストセラーに。Twitterのフォロワー数は30万を越える。著書多数。

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