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大人なのに「不機嫌」アピールするヤツのウザさは計り知れず【カレー沢薫 アクマの辞典】

ココロニプロロ / 2020年2月21日 18時45分

大人なのに「不機嫌」アピールするヤツのウザさは計り知れず【カレー沢薫 アクマの辞典】

大人なのに「不機嫌」アピールするヤツのウザさは計り知れず【カレー沢薫 アクマの辞典】

漫画家として活躍するカレー沢薫さんの連載コラム「アクマの辞典」
このコラムは、ア行からワ行まで、女や恋愛に関する様々なワードをカレー沢さん独自の視点で解釈していきます。女の本性をあぶりだす新しい言葉の定義をとくとご覧あれ!


■第52回 アクマの辞典 ハ行

【フ】
➤「不機嫌」(ふきげん)


ゲーム「龍が如くシリーズ」には赤ちゃんプレイ好きのヤクザがオムツ姿で出てくる。

帰るな、今からすごく大事な話が始まる。
登場した時はただの変態という位置づけだったが、最新作ではついに「子どもが生まれてから妻が冷たくなった」と嘆く、男に子育ての大変さを説く存在にまでなっている。

保母役の嬢曰く「夜泣きをされても、どうしたら泣き止むのか、どうして泣いているのかさえもわからない」のだそうだ。

理不尽ですらある、しかしそれが赤ん坊というものであり、それを育てることがいかに大変かということがよくわかる。
最初、坊主頭の強面がオムツ姿で「バブー!」と現れた時は、こんな重要なことを伝える役になるとは夢にも思わなかった。

しかし、世の中には赤ちゃんでもないくせに、このような理不尽をやってのける人間もいる。

今回のテーマは、は行から「不機嫌」だ。
人間、生きていれば不機嫌な時もある。むしろこのストレス社会、機嫌がいい時のほうが☆5のSSレアかもしれない。

しかし、大人になったら、どれだけ心のオムツがビショ濡れでも、他人の前では「股間の通気性抜群」という顔をしなければならない。
そして一人になってから、ファミチキなどを食って心のオムツを取り換える「自分の機嫌は自分で取る」行為をしていかなければいけないのだ。

それにもかかわらず、プレイ料金を払っているわけでもないのに、未だにオムツを他人に取り換えてもらおうとする人間がいる。

会社などでも、不機嫌を全く隠さないのに、どうして不機嫌なのか全く説明しない、まさに夜泣きしている赤ちゃんみたいなのが一人はいるのではないだろうか。

赤ちゃんでも正直ストレスなのに、大人であればそのウザさは計り知れず、職場の空気は極めて悪くなる。
それが上司だったりしたら、周囲は「赤ちゃんプレイの保母嬢」という、求人票に書いてない業務をしなければならなくなってしまう。

もちろん、恋人や家族間でもこの「赤ちゃん」は現れる。

むしろ、恋人や家族ほど甘えが強くなるので、赤ちゃん出現率が高い。

なぜ怒っているのか説明せず、不機嫌アピールをして、相手に機嫌を取らせようとする行為自体が恋人同士の「プレイ」とも言える。だが、この不機嫌赤ちゃんプレイばかり続けるのは自分のためにもならない。

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