1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. ライフ
  4. ライフ総合

若いってだけで、チヤホヤしてくる勢にモテたいか?「若作り」【カレー沢薫 アクマの辞典】

ココロニプロロ / 2020年4月5日 18時45分

若いってだけで、チヤホヤしてくる勢にモテたいか?「若作り」【カレー沢薫 アクマの辞典】

若いってだけで、チヤホヤしてくる勢にモテたいか?「若作り」【カレー沢薫 アクマの辞典】

漫画家として活躍するカレー沢薫さんの連載コラム「アクマの辞典」
このコラムは、ア行からワ行まで、女や恋愛に関する様々なワードをカレー沢さん独自の視点で解釈していきます。女の本性をあぶりだす新しい言葉の定義をとくとご覧あれ!


■第55回 アクマの辞典 ワ行

【ワ】
➤「若作り」(わかづくり)


今回のテーマはワ行から「若作り」だ。

人間、成人したあたりから、実年齢より若くありたいと思うようになる。

なぜそう思うのか、まずは自分の気持ちの問題だ。

誰だって、朝っぱらから鏡を見て、お母さんやお祖母ちゃんを越えて「ご先祖様光臨!?」と思いたくはない。
自分の顔を見てテンションが下がるという地味なメデューサみたいな目にあわないために、いつまでも若々しく元気な顔でありたいと思うのだ。

もう1つは、それによって周囲からの扱いが変わってきたりするからである。
若い女はチヤホヤされ、逆に年増は三段オチの三段目にされた上、それを「ヤダ~もう! キンタマもいじゃうぞ! 」と笑って流すのが、正しい職場のババアの姿である、という世界観のもとで生きていかなければならないとしたら、処女の生き血をジャブジャブ浴びてでも若くありたいと思ってしまうだろう。

日本は未だに、その世界観寄りなところがある。
若さがもてはやされるとは「年を取ると急激にチヤホヤされなくなる」ということでもある、その恐怖が女を処女狩りに走らせるのである。

しかし、私は昔、ブスについて研究した自著の中で「ブスは加齢に強い」という話をしたような気がする。
ただ、読んだ人間の記憶に残らないのはもちろん、書いた人間の記憶にも残っていないので定かではない。

若ければ全員チヤホヤされるわけではない、若くても全く神輿に乗せてもらえない女は存在する、ソースは私だ。

よく年を取って「美貌が衰えた」などと言うが、衰える美貌がそもそもない人間だっているのである。
そういうタイプは、年を取っても失う美貌もチヤホヤもないため「30を超えてから、周りの対応が急に冷たくなくなった」などと感じることはないだろう。むしろ「30代も20代と変わらず塩、そして40代になってもおそらく塩」なのだ。それがわかっているため「加齢に対する過剰な恐怖」がないのである。

美人は失う物が多くて大変デブスなあ、という話だが、加齢によってなくなるチヤホヤなどそんなに惜しむ必要はない。

年を取ってチヤホヤがなくなったのは「若さ、一点のみを評価していた勢」が消えたと考えるべきである。
逆に言えば、今後評価してくれる人は「若さ」とかいう誰もが一度は持てる物ではなく「君は上手投げの型がすごくキレイだね」など、能力や内面を評価してくれている、とも言える。

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

複数ページをまたぐ記事です

記事の最終ページでミッション達成してください