ワンチャン狙い? 痛いLINEおじさんは「ブロック」してOK【カレー沢薫 アクマの辞典】
ココロニプロロ / 2020年6月5日 18時45分
痛いLINEおじさんが嫌なら「ブロック」してもいい【カレー沢薫 アクマの辞典】
漫画家として活躍するカレー沢薫さんの連載コラム「アクマの辞典」
このコラムは、ア行からワ行まで、女や恋愛に関する様々なワードをカレー沢さん独自の視点で解釈していきます。女の本性をあぶりだす新しい言葉の定義をとくとご覧あれ!
■第59回 アクマの辞典 バ行
【ブ】
➤「ブロック」(ぶろっく)
今回のテーマはバ行から「ブロック」である。
言葉が生まれて以来、人間の最もポピュラーなコミュニケーション方法と言えば会話であった。
しかし、時代の流れと共に、手紙、電話、聞いたあと爆発するメッセージなど手段が増えていき、ネットが生まれたことによりさらに多様化していった。
そしてついに最後の砦であった仕事まで、コロナウィルスの影響により対面ではなくネットを使ったリモートで行われるようになった。
未だに紙の書類や印鑑にこだわる企業が多かった状況を考えれば飛躍的な進化である。
石器で狩りをしていた旧人類が、アイパッドでヘラジカを仕留めるようになったみたいなものだ。
しかし、こういう対面ではないネット上のコミュニケーションは人間に思わぬ影響を与える。
気が巨大になってしまうのだ。
見つめ合うと素直におしゃべりできないどころか、「ンフッ」という鼻呼吸をするだけがやっとの人間も、ネット上であれば、同じクラスにいたとしたら3年間1度も話せないような可愛いアイドルに暴言や卑猥な言葉を送ったりしてしまえるのである。
リモート業務でも、今まで会社ではそんな素振りを見せたこともなかった人間が、リモートになった途端、女子社員にプライベートなことを尋ねたりする「リモートセクハラおじさん」と化した例もあるようだ。
ネットでよく見る、隙あらばワンチャン狙う痛いLINEおじさんも、現実では若い女に声もかけられないノーチャンおじさんである可能性が高い。
エロ自撮りアカウントは、リアルでは大胆になれない女が脱ぎ、リアルでは積極的に女に声を掛けられない男がワンチャン狙うという地獄のマッチングが成立しているともいえる。
このように、良くも悪くもネットなどを介したコミュニケーションはリアルより積極的になれるため、もちろん恋愛でもよく使われている。
「LINEモテテク」や、意中の相手と仲良くなるためにまずSNSのアカウントを尋ねたりと、昨今ではネットコミュニケーションツールを上手く使いこなすことが、モテや恋愛を成就させる鍵と言っても過言ではなくなってきている。
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