女は上書き保存…女性が「元カレ」の記憶を消去したくなる理由

ココロニプロロ / 2020年10月5日 18時45分

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女は上書き保存…女性が「元カレ」の記憶を消去する理由【カレー沢薫 アクマの辞典】

漫画家として活躍するカレー沢薫さんの連載コラム「アクマの辞典」
このコラムは、ア行からワ行まで、女や恋愛に関する様々なワードをカレー沢さん独自の視点で解釈していきます。女の本性をあぶりだす新しい言葉の定義をとくとご覧あれ!


■第67回 アクマの辞典 マ行


【モ】
➤「元カレ」(もとかれ)


今回のテーマはマ行から「元カレ」だ。

「元カレが忘れられない、執着してしまう女について語ってほしい」と担当に言われたのだが、私個人は「元カレに執着している女」にお会いしたことがない。

私が知っている女たちから「元カレ」という言葉が出てくのすら稀であり、大体「あのクソ」「パチンカス」「全身海綿体」などのような仮称を用いて語られることが多い。

つまり、女が元カレの話をする時は、未練よりも圧倒的に「悪口」が多いのである。
もちろん、一瞬でも好きでつきあっていた人間の悪口を言うのは褒められた行為ではない。
そいつがクソだったら、クソと寝たり、クソのクソを口に入れたりしたお前はどんなスカトロウーマンだよ、という話になってしまう。

しかし、人にもよるだろうが、私は元カレの愚痴や悪口を聞くのはそんなに嫌いではない、少なくともノロケよりは目を開けて聞く気になる。

よって女子会では、彼氏と別れた女が元カレのクソっぷりをプレゼンし、それに深く頷きあうという、クソ元カレ品評会が割とよく開催される。
もちろん別れたあとしばらく落ち込んでいる女もいるが、次の彼氏ができたらもう忘れているし、元カレを懐かしむとしたら「もっとすごいクソとつきあってしまったため、クソと思っていた元カレがカレーに見えてきた」というケースぐらいである。

昔から、女は上書き保存、男はフォルダ別保存などと言われるように、女は新しい彼氏ができたら元カレのことはすぐ忘れるが、男は今までつきあった女たちをいつまでも覚えている、と考えられている。

しかし、今の世の中、性差だけで物事を語るのは炎上のもとである、全て「無題」で上書きしてしまう男もいれば「数学レポート01」みたいな、エロフォルダにつけるような名前をつけて全部保存している女もいるだろう。

元パートナーに対する未練に関し、男女でそのような傾向があるのだとしたら、男女の精神構造の違いというより「役割の差」が関係しているような気がする。

「別れてあいつの大切さがわかった」という男の話をよくよく聞いてみると「別れたら、部屋が汚くなった」などと言っているケースが結構あるのだ。
つまり、彼女と別れたことにより、自分の生活水準が下がってしまったため相手に対し「未練」を感じているのである。

また、そのように甲斐甲斐しく世話された記憶があるため「今でも俺を好きな可能性がある女」として一応フォルダ保存してしまっているのかもしれない。

逆にそういう男とつきあっていた女は別れたことにより、世話を焼かなければいけない相手がいなくなり、生活水準が上がる。そのため「早く別れれば良かった」としか思わないし「自分に何もしてくれなかった男」を保存してメモリを無駄する意味もないのでさっさと消すか、上書きしてしまう。

どちらかというと日本には、女は男の生活的世話を焼くものといった風潮があるため、このような差が生まれたと言えなくもない。
「男は妻が先に死ぬとすぐ弱って死ぬ」のは、男の心が弱いというわけではなく、今まで健康的生活を提供してくれていた相手がいなくなったせいで、急速に健康を害すからとの説もあるそうだ。

男女の役割に差がなくなれば、これらの男女差も自ずとなくなっていくのかもしれない。

つまり「未練」というのは「自分がその相手とつきあうことで、どれだけ良い思いをできたか」なのである。


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■マ行

【マ】
➤「マッチングアプリ」(まっちんぐあぷり)

…まずマッチングアプリを選ぶところから始めないと、既婚者とマッチングするはめになる

【ミ】
➤「ミニマリスト」(みにまりすと)

…パートナーの物を捨てるのはミニマリストではなくモラハラ

【ム】
➤「紫式部」(むらさきしきぶ)

…ピクシブに投稿したR18小説が後世に残った裏アカ女子

【メ】
➤「メンヘラ製造機」(めんへらせいぞうき)

…製造機側は俺の行く先々になぜかメンヘラがいると思っている

【モ】
➤「元カレ」(もとかれ)

…元カレが思わぬ成功をして、時間差未練を感じる場合もある


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プロフィール


カレー沢薫
漫画家、コラムニスト。1982年生まれ。2009年に『クレムリン』(講談社)で漫画家デビューを飾る。秀逸な言語感覚で繰り広げられる切れ味鋭い世界観が人気。こよなく猫を愛し、猫が登場する作品も多数。『ひとりでしにたい』 (モーニング KC)、『きみにかわれるまえに』 (ニチブンコミックス)も発売中。

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