「14年間の不倫…都合のいい女にも程がある自分に辟易」雨宮まみの“穴の底でお待ちしています” 第34回
ココロニプロロ / 2016年4月14日 13時0分
勝手な想像ですが、14年の間には、体調や心がつらくて誰かに頼りたかったことも、男手を借りたかったことも、それなりにあったんじゃないかと思います。そこをグズグズ言わずに乗り切ってきたのに、一線を引いてきためろんさんに対し、一線どころか五線ぐらい踏み越えた彼の仕打ち。そりゃあ頭にタライが落ちてきたような衝撃を受けるのも理解できます。
どっちもどっちとか、しょせん不倫だから、という言い方は、ここではしません。人には、それぞれ思いやりや節度のルールがあって、ここだけは踏み越えないでほしい、という部分があります。
想像ですが、めろんさんの気持ちは、「好きな男が(不倫だったけど)浮気をしていた」こと、「よりによって自分が許せないタイプの女性が浮気相手だった」こと、その二つのことで「自分の尊厳が何ひとつ彼に守られていない」と感じたこと、という、絡み合う三つの理由で踏みにじられていて、簡単に「浮気されたからつらい」と言えるようなものではないのでは、と思います。
自分なりに、不倫は不倫だけど、最低限ここは守ろうと思っていた部分を汚しに汚されてしまって、これまで信じてきたものは、自分が守ってきたものは一体なんだったのか、と、良かった思い出まで全部打ち消されるような思いをされているのだろうと想像しています。
「(浮気相手がほかにもいる)なのに私との関係も続けている彼の気持ちがわかりません」とありますが、私はわかる気がします。モテてるみたいで気分がいいんだと思います。近場の相手二人に手を出すスリルもたまらないんだろうし、新しい相手とは刺激があるし、めろんさんとの間には長年のおつきあいで息の合った部分や楽な部分があって、それぞれ楽しいんでしょう。
別れても同じ職場だということですし、別れたからといってすぐに楽になれるわけでもないでしょう。でも、この男の人は、めろんさんにはふさわしくないと思います。セックスが良くて良くてどうしようもなく離れがたい、もうちょっとだけつきあいを続けたいとか、そういう自分の意志でままならない部分があるのなら、気が済むまで、地獄の果てを見てもいいと思うのですが、やっぱりちょっと心配です。
ここまで書かれていて、彼に対し、怒りや恨みが全然書かれてないことも心配です。まだ心は彼にあるのでしょうし、そういう汚い感情を自分の中に持ちたくない、というお気持ちもあるのかもしれません。
差し出がましいようですが、自分のために、彼に対して怒って、恨んで、憎んでください。自分を傷つけた人を、今後許すにせよ許さないにせよ、一度は怒ってください。伝えても伝えなくてもいいですけど、めろんさんが責めるべきなのは、自分ではなく彼です。「そんな男を選んだ自分が悪い」「不倫した自分が悪い」と思うのもわかりますが、自分を責めたほうが楽なんです。そして自分を責めることで、自信を失ってゆき、ゆるやかに気力を失っていく人を、私はたくさん知っています。
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