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お天道様のバチが当たる!? 浮気をした人間への罰とは…「あなそれ」から読み解く男と女②【オタクにモテてもしょーがない 第5回】

ココロニプロロ / 2017年7月3日 11時45分

お天道様のバチが当たる!? 浮気をした人間への罰とは…「あなそれ」から読み解く男と女②【オタクにモテてもしょーがない 第5回】

お天道様のバチが当たる!? 浮気をした人間への罰とは…「あなそれ」から読み解く男と女②

◆人間は真実を信じるのではなく、信じたいことを信じる

アイドルのファンという信者は、アイドルという神に対して様々な信仰を持って応援をしております。

少し古い話になりますが、地球ではない遠い星から来たアイドルも存在しましたし、何年経っても17歳のアイドル?も存在します。科学教の視点で考えれば、どう考えても嘘なのですが、そのアイドルに対しての信仰を持っている人間からすれば真実なのです。

いえ、彼らだって薄々、いえ99.9%くらいそれが嘘だとは分かっていますが、それを理解した上で「信じる」ということに“している”のです。

何故なら、そっちの方が幸せで楽しいから。それを「科学的ではない!」と思うより「そうだよね!」と笑っている方が幸せなのです。

ちなみに、そうやって自分の信じたい信仰を信じて幸せに暮らしている方に対して「それは科学的事実ではない!」と指摘する行為のことを歴史では概ね侵略と呼びます。

人間は「真実」を信じる訳ではなく、「科学的事実」を信じる訳もなく、自分が信じたいことを信じるのです。

また一方で、神はその信者に対して、ある種の義務が存在すると言えるでしょう。

例えばキリスト教は「キリストが神である」ということが基本的な軸になっております。それを軸として信者を集めている以上、「実は俺、神じゃなくて人間なんだよね」なんて言った日には殺されても文句は言えません。

確かに宗教にはどう見ても科学的事実ではない伝説がたくさん御座います。ですが、その根幹となる存在が「それは正しい」と言っている限り、信者はそれを信じることが出来るのです。99.9%嘘にしか見えない話であっても、残りの0.1%を信じ、幸せに生きることが出来る。

ですのでアイドルは、自身がアイドルである限りは「恋人がいます!」とか「結婚しました」と言ってはいけない、と私は考えています。最初から「いますよ!」という発言をして活動しているのであれば構いませんが、日本に存在するほぼ全てのアイドルは明言をするかしないかはともかくとして「いない」という体裁で活動をしているのです。

ここで注意をして頂きたいのは、私が言いたいのは「言うな」であり「するな」ではないということ。大事なのは「科学的事実」ではなく、信者に対して神がどう振る舞うか、ということなのです。私のような「アイドル教」ではない人間が「いや……どう見ても恋人いるだろ……」という状況であっても、神と信者が「恋人いない!」と楽しそうにしているのであれば、そこに口出しする理由もないではありませんか。

確かに危険な新興宗教のように、我々の生活まで脅かすほど危ない宗教であれば口出しもしますが、今のところ危険もさほどないのですから、放っておけば良いのです。口出しすることこそが無粋であり迷惑な存在でしょう。

どれだけ決定的な科学的証拠が出ようとも「恋人などいない」と信じたいファンのために、アイドルはIdolとして「私には恋人などいない」と言うべき場合もあると私は考えているのです。

「恋人がいる」ということを信じたいファンはアイドルがなんと言おうとも「恋人の存在」を肯定して離れていくのでご安心くださいませ。

バレそうになった時に、正直に謝罪をすることだけが誠意では御座いません。どれだけ物理的な証拠が出てこようとも、頑なに「恋人はいません」と主張することこそが誠意である場合もあるのです。そうすることでファンは「ああ恋人はいないんだ」と幸せでいられる。
もちろんファンだって「(いや本当はいるだろ……)」と心のどこかでは思っていますが、それでも神が「いる」と言わないでくれれば、その言葉を信じることができる。

そして何よりも、神が最後まで自分達を導こうとする姿に救われるのです。
「あ、この神はもう俺たちに夢を見せる気は無いし、どう思われても良いと思っているんだ」と。

逆に言えば自分たちに気を使って、決して認めないでいてくれた。という姿にこそ、信者は救われるのです。

正直に告白をするなんて、どれだけ言及されても決して認めないことに比べれば、楽すぎる罰に過ぎません。

半信半疑どころか99.99%恋人がいると疑っていても、ファンは残りの0.01%を信じ、幸せでい続けることが出来るのです。

これは話の性質としては「モーセは海を割った」とか「マリアは処女で懐妊した」とか「釈迦は生まれた瞬間に歩き出して『天上天下唯我独尊』と言った」というような話であると言えるでしょう。

確かに科学的に考えればどう考えてもおかしいのですが、どれだけ科学的に間違っているという証拠が出ようとも、頑なに「海を割りました!」と主張することに意味があるのです。

あれから3000年以上も経った今になって「いや、実は俺、海……割ってないんだよね……」なんて言うのは誠意ではなく、自分が許されるための自分勝手な告白に過ぎません。信者のことを考えれば、嘘であろうと真実であろうと「俺は海を割った!」と言い続けなくてはならないのです。

それを信じて幸せになっている人間がいる。そしてそんな方々に対して「科学的に間違っている」「論理的に間違っている」という理由で邪魔することを「侵略」ということだけはどうか忘れないで頂きたく思います。

なお補足になりますが、私は特に特定のアイドルを応援はしておりません。

ただ、アイドルが恋人を作るのはともかくとして、明言こそしなくとも明らかに「恋人がいない」という体裁で活動しておいて、しれっと「恋人出来ました」発言をするのは幾ら何でもファンが可哀想だと感じたのです。

アイドルと付き合いたい、と考えているファン
別に付き合えるとは思っていないけど、もしかしたら、と妄想することを楽しんでいるファン
親のような気持ちで応援しているファン

色々な形でアイドルを応援している方はいらっしゃると思いますが、アイドルを「性の対象」と見ているファンはもちろんですが、そうではなくとも恋人が出来ることに落ち込む方は少なくない。

もちろん意見は様々あるかと思いますが、今回のテーマの「浮気」の説明をする話の枕として、こんな考え方もあるんだ、と軽く読んで頂ければ幸いです。

◆浮気の罰

さて、長々とアイドルの哲学的なものを語ってしまいましたが、ここからが本題になります。とはいえ本題はそこまで長くありませんのでご安心くださいませ。

『あなたのことはそれほど』は浮気をテーマにした作品であり、主人公の渡辺(三好)美都と有島光軌は「客観的事実として」不倫をしています。

もちろん不倫をしないに越したことはないのですが、してしまったものは今更とやかく言っても仕方がありません。むしろ重要なのはその後のこと。

「不倫したことを認めること」は「不倫をしたこと」と同じくらい重い罪であると私は考えています。

不倫をされた奥様旦那様の立場に立って考えて見ましょう。

先ほどお伝えした通り、人は「信じたいもの」を信じるのです。

ですので、もし浮気をされた側が「浮気している」と信じたいのであれば、浮気した側がなんと言おうとも、浮気をしていると信じますし、物理的証拠もきちんと見つけます。裁判は「物的証拠」で判断するので、浮気した側がどれだけ「浮気していない」と言ってもちゃんと処罰をしてくれます。

問題なのは浮気をされた側が「浮気していない」と信じたいと思っていた時。

もし「ごめん、浮気をした」と言ってしまったら、いくら「浮気をしていない」と信じたいと思っていても、さすがに信じることが出来ないのです。

つまり「浮気をしたと認める」ということは、相手の「信じ続ける」という選択肢を奪っているに過ぎません。正直に言って楽になるのは言った本人だけで、言われた方は「信じたかったのに信じられなくなる」という状況に陥るのです。相手のことを考えているのであれば、どうして「正直に認める」なんていうことが出来るのでしょうか。

どれだけ知らないラブホのメンバーズカードが出てこようとも、どれだけスマホに怪しいLINEがあろうとも、浮気をされた側が「浮気していない」と信じたいのであれば、信じることが出来るのです。

その浮気された側の「信じたい」という気持ちを踏みにじるように「正直に話す」なんてことをしてはいけません。どれだけ物的証拠が出ようとも、何度「浮気してるでしょ」と問いただされようとも、決して「した」とは口にしないことに比べれば、正直に話すのはどれほど楽なことか。

その苦痛が浮気をしたことの罰なのです。正直に話して楽になろうなんて、甘い考えに過ぎません。

◆人に夢を見せる

浮気という悪行を為したなら、せめて配偶者が自分の意思で選択できるように道を残すべきでしょう。

「正直に告白する」というのは、「浮気をしていると信じる」道しか残していないのです。人間は信じたいものを信じる生き物で、どれだけ物的証拠に状況証拠が出ようとも「浮気をしていない」と信じたい場合も御座います。

それでは「浮気をしていると信じる道」も「浮気をしていないと信じる道」も両方残す方法は何かといえば「どれだけ証拠が出て、どれだけ相手から言及されようとも、それでも決して認めない」という方法であると私は思います。

自分のことを見限った相手であれば、こちらがどれだけ認めなくとも、きちんと決別を選びます。逆に浮気をした自分と、何かしらの理由でまだ一緒にいたいと相手が思っているのであれば「浮気は存在しなかった」と己に言い聞かせてくれます。

浮気をした側は、その後も「浮気を隠している生活」が続きますが、浮気をされた側は「平穏な日常」を取り戻すことが出来るのです。もちろん完全に元通りというわけにはいきませんが、それでもある程度は元通りになる。浮気した側からすれば辛い生活ですが、それは罰ですので仕方がありません。

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プロフィール

ラブホスタッフ上野さん
豊かな知見と人間観察眼をもとにした悩み相談への深みある回答が人気を集め、Twitterのフォロワー数は20万以上を誇る。漫画『ラブホの上野さん』(漫画:博士/原案:上野)の原案もつとめ、書籍は現在4巻まで発売されている。同漫画は2017年1月よりフジテレビ系にて本郷奏多主演で連ドラ化。

★オフィシャルブログ:「ラブホの上野の休憩中」
★Twitter:@meguro_staff

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