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「ヅカファンだけど彼氏も欲しい」 雨宮まみの“穴の底でお待ちしています” 第22回

ココロニプロロ / 2015年4月23日 10時15分

誰かと人生の中の楽しく美しい瞬間を共有できたり、お互いに相手が大好きだという気持ちをわかちあったりするのは、すごく幸せなことです。八つ当たりみたいなケンカをしたり、それを許したり許されたり、つらいときや苦しいときになんとか寄り添おうとしてくれたり、相手を喜ばせるためにいろんなことを考えたり……。そこでの出来事は、舞台の上で起きていることと、本質的にはそんなに大きく違うものではないという気がします。本物のキスシーンだってありますしね。

恋愛は、宝塚で言うならば「毎日続く客席降り」(※舞台の上から客席に降りてくること)だと思います。自分が「この人だ」と思った相手が、同じ場所に立ってくれるのです。怖いですよね。緊張してとても話せないと思ってしまいますよね。

でも、舞台の上の人たちは、きれいに降りてきてお客さんの目をしっかり見つめて踊るために、信じられないほどの時間、練習を重ねてらっしゃいます。私たちはタカラジェンヌではありませんが、誰かと出会って、連絡先を聞いて、連絡して、食事や映画に誘って、会話して、ということもまた、積み重ねでどんどん上手にできるようになることだと思うのです。コミュニケーションも練習の積み重ねで少しは上手くなると思いますし、そこから緊張を取り去っていくには、とにかくひとつでも多くの舞台を踏むことしかありません。

そして、相手の目を見つめて、ウインクや投げキッスではなく言葉をかけて、コミュニケーションを取るのです。どんな人なのか、どんなことに興味があるのか……話しているうちに「いい人かもしれない」と思えることもあるかもしれません。最初はそれほどいいと思わなかったけど、あとからどうしても忘れられない存在に変わったりもしますので、いつも感じ良く接していたほうがいいでしょう。

一緒になにか、楽しいことをして、おいしいものを食べるとか、映画を観るとか、なんでもいいのですがお互いに楽しいと思える経験を共有して、いろんなことを話して、心の距離が近づいたとき、その人を「いいな」と思えることは、あるのではないでしょうか。

宝塚は幸せな場所です。最高の場所です。私も、まだまだ少ないですが、何人もの好きな人たちが宝塚を卒業してゆくのを見てきました。宝塚で磨き抜いた「男役」という最大の武器を捨てて、宝塚ではない舞台に立たれる姿、宝塚の中での評価が通用しない世界に飛び込んでゆかれる姿。それはとてもまぶしく、内にどんな強い覚悟が必要だったか考えると、涙なしでは見られないものでもありました。

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