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鏡リュウジ×ジェーン・スー対談~占いもクールジャパンのコンテンツ!当たってないと感じた時こそ要注意[後編]【恋占ニュース】

ココロニプロロ / 2015年5月29日 10時15分

――でも、袋小路に入っている人はズバッと言ってほしいのでは?

鏡:そうかもしれません。ただ、言い切るのはちょっと…。
これは占う側の度量に関わる問題なんですが、悩みを聞いていると、つい「こうしたほうがいい、この時期にあなたはこうなりますよ」って言いたくなっちゃうんですよ(笑)。
しかし、占いにはやはり不思議なところがあってやはりピンポイントで当たることがあります。
それに占い師が酔って全能感を持つとまずい。また当然、心理学で言う予言の自己成就という面もある。
占う側が占いの力に誘惑されないことが大切ですが、これはかなりの難行ですよ。

ジェーン:その話、ものすごく面白い! 占う側の心理なんて普通聞けないですよ。第一、占う側も人間であるってことを多々忘れるんですよ、私たちは。

鏡:みなさん人間ですよ(笑)。ただ、そういうことは本当に起こり得るので、占う側は細心の注意を払う必要があるんです。

≪日本の占いはトップレベルのクールなコンテンツ≫

鏡:日本の占いは、世界レベルで見ても極めて高度になってきています。多様化し、選べる楽しさもあります。「今日の運勢」ランキングを見て、1位だ2位だと喜んでいるだけじゃもったいないですよ。
占いは、いずれクールジャパンのコンテンツになるんじゃないかな。マンガと同じように。マンガは以前は低俗だと思われていたけど、今では日本独自の文化として高く評価されていますよね。
占いも、大人が真剣に楽しめるジャンルに育ちつつあると思います。芸術や文化の領域でも、占いを知らないとわからないことが実はたくさんあるんですよ。
何しろ国技である相撲で使う「はっけよい」は、「当たるも八卦」のはっけですしね。
絵画の世界も、ルネサンスはもちろんコンテンポラリーまで、占星術と密接に関わっています。
それから東証一部上場の記念の楯。あれは商売の神様である、マーキュリーの像なんです。それとセーラーマーキュリー(「セーラームーン」のキャラクター、水星を守護神に持つ)のルーツが一緒なんて面白いでしょ?

そういえば、イギリスのある学者が、マジックとエンチャントメントの概念の峻別(※はっきり区別すること)を提言しています。
マジックは科学技術であり、現実世界を操作しようとするもの。一方のエンチャントメントは、もう一つの世界から現実世界を豊かにして楽しむ、味わうという姿勢。両者を区別し使い分けろと。
異世界を想定するという構図は、彼がトールキンの『指輪物語』の世界から着想を得たものです。現実世界を操作することなく享受して味わうなんて、神秘的でしょう。
占星術は、エンチャントメントに向かうといいと思いますね。

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