DBの値を自動でJavaオブジェクトに変換するライブラリ「DBUtils」のご紹介

CodeZine / 2014年2月5日 14時0分

値の取得イメージ

 本連載では、サーバーサイドJavaを使って業務アプリケーション開発を行う熱血若手エンジニアのために、面倒な作業が楽になる便利なツールをご紹介します。「定時になったらスマートに帰社してアフター5を存分に楽しみたい!」や「設計書やレビューの準備に煩わされるのは嫌だ、コーディングに集中したい!」などを実現してくれる便利なツールやソフトウエアを、サンプルコードを交えて説明します。

■はじめに

 サーバーサイドJavaによるWebシステムでは、クライアントから受け取ったデータをもとに、データベース上のデータを参照したり、更新したりすることがよくあります。

 本当は、クラス設計などに時間をたっぷり費やして、効率がよく品質の高いプログラムを書きたいのに、データベースに登録されたたくさんのテーブル/カラムから必要な値をResultSetで受け取り、それをJavaの一つ一つオブジェクトに格納して……など単調な作業に追われてしまうこともあるでしょう。これらは決して楽しい作業ではありません。皆さんは、どのようにしているでしょうか?

 「DBUtils」は、Apache Commonsが提供するデータベースへのアクセスを容易にするJavaライブラリです。DBUtilsはデータベースから取得した値を、MapやArrayListなどのJavaコレクションフレームワークやJavaBeansに自動で格納したり、短いコードでデータベースの値を追加/更新/削除したりできるという便利な機能を持っています。また、このライブラリを使うことで、煩雑になりがちなデータベースへの接続処理のためのコードが簡略化されますので、可読性の高いコードが書けるようになります。

 本記事では、この「DBUtils」についてご紹介します。

■対象読者

 本記事は、次の方を対象にしています。

システム開発を始めたばかりで経験が浅い方 サーバーサイドJavaの基本技術(Servlet/JSP/JavaBeans)を理解されている方 JDBCプログラミングを理解されている方 データベースおよびRDBMSの基本を理解されている方 SQL文が書ける人 ■必要な環境

 本連載で紹介する環境は次のとおりです。

OS:Windows 8 Pro IDE:Eclipse Java EE IDE for Web Developers. Version: Kepler Service Release 1 WAS:Apache Tomcat 7.0.42 Server RDBMS:MySQL Community Server 5.6.10 ■DBUtilsとは

 DBUtilsは、ApacheのトッププロジェクトであるApache Commonsにある、データベースへのアクセスをサポートするためのライブラリです。最新版はDbUtils 1.5で2012年7月21日にリリースされています。

 通常のJDBCプログラミングでは、クエリの実行結果であるResultSetオブジェクトからデータの取り出しやJavaオブジェクトへのマッピングのためのコーディングをプログラマ自身が行う必要があります。また、データベースのConnectionでは、決まり文句としてclose処理をコーディングしないといけません。

 DBUtilsは次のような機能を持っています。

データベースから取得した値を自動的にJavaのオブジェクトに格納 データベースへの追加/更新/削除のコードを簡略化 データベースのclose処理を実装  ここで、O/Rマッピングについて説明します。

 O/Rマッピングとは、Javaのようなオブジェクト指向言語のオブジェクトと、リレーショナルデータベースのレコードとの対応付けを行うことです。そして、これらを行うフレームワークやライブラリは、「O/Rマッパー」と呼ばれています。一般的なO/Rマッパーは機能が豊富で、例えばデータベースのレコードがオブジェクトとして扱えるようにしたり、SQL文を書かなくてもデータベースにアクセスするプログラムを作成したりできます。

 しかしながら、Webシステムではデータベースに接続する処理はボトルネックになりやすいので、例えばテーブルの値をすべてマッピングするようなO/Rマッパーでは、パフォーマンス低下につながる可能性もあります。

 また、O/Rマッパーは設定ファイルなどの使い方を学習する必要もあります。

 DBUtilsはこのような一般的なO/Rマッパーとは異なり、データベースから取得した値をJavaのオブジェクトにマッピングするシンプルな機能に特化しています。

 従って、データベースから必要な値を取得するためのSQL文はコーディングする必要があります。SQL文を書きなれたエンジニアであれば、設定ファイルを新たに学習する必要がない分、生産性良く開発することができます。

 早速、インストールと環境設定について説明します。

■インストール/環境設定

 まず、次のURLからDBUtilsをダウンロードします。

http://commons.apache.org/proper/commons-dbutils/download_dbutils.cgi ダウンロードしたモジュールの中にある「commons-dbutils-1.5.jar」を、Webアプリケーションのクラスパスの通ったWEB-INF/lib配下などの場所に格納します。

 ここでは、サンプルデータベースを作成して値の参照/挿入/更新/削除を行うため以下のデータをサンプルデータベースのbookテーブルに登録します。

サンプルデータベースの登録内容 名前 データ型 説明 id varchar(10) 本のID name varchar(20) 本の名前 price int 本の価格 作成したbookテーブルに以下のデータを登録しておきます。データの登録はダウンロードサンプルにSQLがありますので、そちらを参照してください。

 これで、準備は整いました。



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