クラウド時代のIPv4アドレス枯渇問題を考える

CodeZine / 2014年12月1日 14時0分

図14. WindowsにおけるTCPポート番号単位でのping監視

 本連載では、さくらインターネット研究所の独自調査に基づき、クラウド時代に必要となるネットワーク仮想化とその在り方についてご紹介します。今回は私たちが利用しているクラウド・コンピューティング環境におけるIPv4アドレス枯渇問題の現在と未来について考えていきましょう。

 今回もVyatta/VyOSのお話から少しそれますが、新しいシステムエンジニアの皆様の基礎理解を広げるお話なのでご理解ください。現在利用されていない少し先の未来のネットワーク設計手法が含まれていますので、「こういう将来もあるのか……」と斜め読みください。

■IPv4アドレス枯渇問題のいま

 ご存じの方も多いかと思いますが、現在私たちを取り巻く環境ではIPv4アドレス枯渇問題に対して「IPアドレスの移転」によってアドレス空間の融通が行われています。図1は国内における移転IPアドレス数および移転件数をグラフ化したものです(参考:「サイバーエリアリサーチ株式会社 IPv4アドレス移転 統計資料」より抜粋)。

図1. 国内における移転IPアドレス数および移転件数の推移


 ここでは移転IPアドレス数として200万ホスト以上の範囲が示されており、移転数も120件を超えるようになっています。移転先の組織名を見る限りでもさまざまな事情から多岐にわたっているようにみえます(図2)。

図2. 国内におけるIPv4アドレス移転先組織名 (2014年10月21日現在)


 短期的な統計予測から見て、「IPv4アドレス移転により需要と供給のバランスが保たれる」というシナリオも十分に考えられますが、ここではあえてパブリッククラウドにおける最悪のシナリオを想定して考えていきましょう。IPv4アドレスの在庫がなければ、グローバルに仮想マシンを立てることも難しくなります。

 図3は、IPv4アドレス移転の流動性がなくなった未来のシナリオを示しています。前提条件として「IPv4アドレス移転コストよりもIPv4アドレス再利用に必要な機器およびソリューションが低価格」であることとします。最悪のシナリオの可能性領域としては、仮に5~10年としておきました。

図3. IPv4アドレス移転の流動性がなくなった未来のシナリオ


 「IPv6アドレスによる新しい世界が実現して、IPv4アドレス枯渇問題が解決する!」という主張は、過去10年以上聞いてはいますが、いまだそうはなっていません(この話題は次回にでも)。

 では、「パブリッククラウドにおいてIPv4アドレス再利用は具体的にどのような方法があるか?」を考えていきましょう。



CodeZine

トピックスRSS

ランキング