いまさら聞けないモバイルとIPv6ネットワークのアレコレ(中編)~モバイル端末の移動によるIPv6アドレスの変化を確かめる

CodeZine / 2014年12月25日 14時0分

図15. iPhone(iOS)におけるnmapスキャン結果

 本連載では、さくらインターネット研究所の独自調査に基づき、クラウド時代に必要となるネットワーク仮想化とその在り方についてご紹介します。今回は『いまさら聞けないモバイルとIPv6ネットワークのアレコレ(中編)』として、モバイル端末の移動によるIPv6アドレスの変化を実際に確かめてみましょう。

 では、さっそく前回の『いまさら聞けないモバイルとIPv6ネットワークのアレコレ(前編)』の続きをみていきましょう。

■iPhone(iOS)からIPv6でSSHしてみる

 前回、「さくらのVPS」に投入したVyatta/VyOSへ、ネイティブなIPv6通信環境の設定投入を行いました(図1)。

 これで、いつでもどこからでもネイティブIPv6通信環境を経由して仮想サーバへアクセス可能になります。

図1. Vyatta/VyOSのIPv6ネットワーク情報の設定例(再掲載)


 では、さっそくiPhone(iOS)からSSH接続してみましょう。今回はSSHクライアントとして、ServerAuditorを使いました(図2)。ログインアカウントやssh key事前設定などは各自で行ってください。

図2. iPhone(iOS)におけるServerAuditorの設定例


 動作画面は、図3のようになります。今まで通り変わらない使い勝手となっています。

図3. iPhone(iOS)におけるServerAuditorの動作画面


 さて、少しネイティブIPv6通信環境について考えてみましょう。今回利用している「KDDI au LTE NET for DATA」によるIPv4/IPv6通信環境とiPhone(iOS 8.1)では、3G/4Gの切替や基地局変更などに起因するIPアドレスの変化が確認できます(図4)。お気づきになっていない方が多いかもしれませんが、現在私たちが使っている携帯電話網におけるIPv4ネットワークでも、実はこのようなことが起こっているのです。

図4. iPhone(iOS8.1)with KDDI au LTE NET for DATAにおけるIPv6アドレス割当


 図4からもお分かりいただけるかと思いますが、疑似的に3G/4Gの切替や、つなぎ直しを起こすため、機内モードのOn/OffをiPhone(iOS8.1)上で何度か繰り返すと、付与されるIPv6アドレスは規則性のないものに変化していることが分かります(※IPv6アドレスの上位/64ビットでは規則性はありますが)。

 筆者も古い部類に入る人間なので、新しいシステムエンジニアの方がどこまでIPv6ネットワークの理解が深まっているか、とても悩ましいところではありますが、前述の結果を共有するために大文字で書いておきます(図5)。

図5. IPv6アドレス=固定アドレスは古くから広まってしまった誤解


 この中編の後の後編でお話する予定ですが、実はこのIPv6アドレス決定メカニズムはOS環境やネットワーク環境に強く依存しています。今回の検証に用いた携帯電話網とiPhone(iOS)の組み合わせでは、このような結果になりましたが、固定網や別のOSの組み合わせではこの限りではありません。

 しかしながら、すべてが均一に「IPv6アドレス=固定アドレス」で「End-to-End通信できる」という誤った認識が今もどこかで広まっているならば、ぜひまわりの方に教えてあげてください。



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