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おすすめ軽自動車はどっち? スズキ ワゴンR VS ダイハツ ムーヴ カスタム【軽自動車比較評価/新車バイヤーズガイド】【特集・コラム:対決】

CORISM / 2013年3月23日 14時14分

スズキ ワゴンR VS ダイハツ ムーヴ カスタム

低燃費化、安全装備の充実、操縦安定性の向上と、急速に進化する軽自動車が今おすすめだ!

 軽自動車の販売競争が激しさを増している。ダイハツとスズキの争いの中にホンダのNシリーズが割って入る形になり、混戦模様を強めているからだ。従来からの2強はホンダにあおられがちな状況だが、そんな中で2強の争いも激しくなっている。

 2012年には、ワゴンRがこれまで5年だったフルモデルチェンジのサイクルを4年に短縮して新型車を投入し、しかもエネチャージやエコクール、新アイドリングストップ機構など、電気系の新技術をふんだんに盛り込んで28.8km/Lというクラストップの低燃費を実現してきた。

 そのわずか3カ月後には、ムーヴがイーステクノロジーの進化などによって、ワゴンRの燃費をわずか0.2km/Lながら上回る29.0km/Lの燃費と、低価格、さらには追突軽減ブレーキなどの安全装備の充実化を果たしてきた。

 2011年に、ミライースが達成した30.0km/Lの燃費をわずか3カ月ほどでアルトエコが0.2km/L上回った経緯があるが、今回のムーヴでは見事にそのリベンジを果たしたといっても良い。

 そんな急速に低燃費化や安全装備の充実が進み、大きく商品力が向上したスズキ ワゴンRとダイハツ ムーヴを比較してみよう。おすすめ軽自動車は、ワゴンR? それともムーヴ?

デザイン

空間設計&使い勝手

 軽自動車はボディサイズと排気量に制約があって、その中で微妙な競争を繰り広げている。ボディの外寸は全く同じ数値で、その中で室内のサイズを競い合っている。カタログ上の数値はワゴンRが室内長で優位に立つが、室内幅と室内高はムーヴのほうが上回っている。

 ドアの開き方による乗降性の良さについても、ほとんど違いはないので、空間設計については両車とも互角と考えていいだろう。

 運転席回りの収納スペースについても、やはり互角の印象だ。マイナーチェンジ前のムーヴはセンターメーターのレイアウトからステアリングの向こう側に収納スペースがあったが、チェンジ後はそれがなくなった。その意味で、やや後退した感もあるがワゴンRとは同等である。

 ワゴンRとムーヴが明確に異なるのは、バックドアの開き方だ。ワゴンRが縦開きのドアを採用するのに対して、ムーヴは横開きを採用する。

 ワゴンRの縦開きは雨のときに、傘の代りになるというメリットがあるものの、後方に十分なスペースがないとドアが開かない。またドアを全部開かないと荷物の出し入れができない。

 ムーヴの横開き方式は、ドアを少し開けただけで買い物袋などを出し入れできるのが便利。後方にスペースがない場所でも容易に出し入れできるのが良い。

 使い勝手については、どちらが優位ということより、どちらが自分の使い方に適しているかで判断したら良い。

動力性能

 カタログデータを見ると、ワゴンRの自然吸気エンジンは38kW/63N・mの動力性能を発生する。これに対してムーヴは38kW/60N・mでトルクがわずかに劣るほか、発生する回転数がいずれもワゴンRよりも高く、それを合わせて考えると、数値的にはムーヴがやや劣っている感じもある。

 また、ベースグレード同士で比較すると、ワゴンRのほうが30kgほど軽く作られている。ムーヴも現行モデルが登場したときに軽量化を図っていたし、今回のマイナーチェンジでも改良を進めたが、それでもワゴンRの大幅な軽量化には及ばなかった。

 これによる走りの性能の違いは、発進加速などに端的に表れる。ワゴンRのほうが発進加速に優れていて、アクセルを軽く踏むとすっと走り出すからだ。

 ムーヴは、低燃費を実現するためにギア比をハイギアード化したこともあり、発進加速ではワゴンRにやや劣る印象だ。ただ、ワゴンRの発進加速も、ともすれば唐突感につながりがちな部分もあるので、単純に優位に立つとは言いにくい。

乗り心地&操縦安定性

 ワゴンRは、今回のフルモデルチェンジで、従来のモデルに比べて仕様ダウンした。FXリミテッドに標準装備されていたフロントスタビライザーが、今回のモデルでは、FXも含め両方とも設定なしになってしまったからだ。

 同じ自然吸気エンジンを搭載するスティングレーのXには、スタビライザーが装着されているのだから、これがあったほうが良いのは間違いない。

 これに対してムーヴは、今回のマイナーチェンジで全車にフロントスタビライザー(FF車はリヤも)を標準装備してきた。操縦安定性に関する考え方の違いが表面化した。

 仕様の違いは走りに直結していて、ムーヴはコーナリングや高速レーンチェンジ、スラロームといった動きを試しても、実に安定した姿勢で走り抜けていける。

 これに対して、ワゴンRは操舵によってクルマが大きくロールするシーンもあり、操縦安定性に関しては完全に完全にムーヴの勝ちといっていい。

 しかも、乗り心地でもムーヴのほうが好印象だった。ワゴンRは低燃費を実現するためにタイヤの空気圧を高めに設定していて、それが乗り心地の硬さにつながっている。これに対してムーヴは平均的な空気圧に抑えていて、乗り心地もスポイルしていない。トータルでムーヴの勝ちといっていい。

先進技術

まとめ

おすすめ軽自動車は、ダイハツ ムーヴ。自分が重視したい項目を比べて選べ

 軽自動車は、メーカー直系のディーラーで購入するのではなく、古くから付き合いのある自宅近くの整備工場などを通じて買うケースが多い。なので、その店がどんなブランドを扱っているかによって自動的に購入車種が決まることも多いのだが、そうした販売店任せの買い方ではなく、自分で積極的に比べて選ぶようにしたほうが良い。そのほうが、満足度の高いクルマ選びができるからだ。

 これまで伝えてきたように、デザイン、空間設計&使い勝手、動力性能、操縦安定性、先進技術などの面で、それぞれに優位に立つ部分とそうでない部分とがある。

 すべての面で、全面的に勝ちというような大差が付く状況ではない。なので、自分が重視したい項目を決め、その項目でどちらが優位に立っているかを判断基準にすると良い。

 また、欲しい仕様に仕上げたときの値引きも含めた購入予算も大きな要素。軽自動車は値引きが少ないと言われるが、支払い総額を見てしっかり比べることが大切だ。

 どちらか1台を選ぶとなれば、やはり操縦安定性を重視してムーヴのほうを選びたい。スマートアシストを装備したモデルなら、横滑り防止装置もついて急なハンドル操作のときの安定性が高まるのが良い。

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