想像を超える完成度を誇るドイツの新スポーツカーメーカー【アルテガGT試乗記】【レビュー:その他】
CORISM / 2012年1月4日 8時8分
ドイツ生まれの新進気鋭スポーツカーメーカー、アルテガ
遠くから見てフェラーリかな、新しいマクラーレンかな、でも違うなと思いつつ近づくと、リヤミッドにエンジンを搭載し、まったく新しい引き締まったボディを持っている2シータースポーツカーだったら、ドイツ生まれのアルテガGTだ。
魅力的なエクステリアデザインを担当したのは、BMW Z8やアストンマーチンのデザインしたヘンリーク・フィスカ。
ボディサイズは、全長x全幅x全高【㎜】が4015x1882x1180、ホイールベースは2460、車重1132kgとコンパクトで軽量ある。アルミニウム立体骨組みと非常に軽いアルミニウムハニカム構造の車台を接着して造られているから軽くて強い。ドイツの衝突安全の基準も満たしている。
パワートレインは信頼性の高いフォルクスワーゲンのエンジンとトランスミッションを採用している。パサートCC V6 4モーションなどに搭載されている3.6リッターNAの大排気量V6エンジンだからこの軽量ボディには充分過ぎるパフォーマンスだ。
トランスミッションは、6速ツインクラッチのDSGをアルテガGT用に変更して本格的なスポーツカー用としてギヤレシオをマッチングさせている。これにより、最高スピードは270km/h。0-100km/hまでが4.8秒と俊足である。
毎日使える日常性をもった、安定性の高いスポーツカー
ドアを開けて乗り込む作業は、背の低いスポーツカーとしては意外とスムーズだ。ロータスのように狭い開口部に身体を曲げて通さなくてはならないことを考えると、ごく普通のクルマに近い。これなら毎日でも乗れそうだ。
インストルメントパネルも未来的で、メーターパネルもアルテガGTオリジナルデザインでおもしろい。ダッシュボードセンターのエアコンやオーディオのコントロール類もスマホのようなタッチパネルで先進的だ。
シートは薄いが、剛性の高いハイバックのバケットである。本格的なサーキット走行もこのままいけるほどホールド性が良いスポーツシートだ。ドライビングポジションを取ったとき、低いアイポイントはレーシングカーをイメージさせる。
エンジンを掛けると、ミッドシップだから当然ながら後ろから割りと大きな音が聞こえる。この感覚はスポーツカーとして重要な味付けでなかなか良い。
2ペダルのDSGだから、エンジンを掛けてDレンジに入れれば簡単に走り出すことができる。エンジンの反応はアクセルペダルに対してピーキーでないから、市街地走行もスムーズに走れる。
アクセルペダルを深く踏み込むとエンジンの排気音も一段と大きくなり、エンジンとトランスミッションの荷重が掛かった駆動輪はホイールスピンする気配もなくエンジントルクをトラクションに換えて加速していく。6800rpmで自動的にシフトアップしていくが、トルクのつながりがよく、軽量なボディをグイグイ押し出す感じが気持ちよい。
ステアリングリムは、バックスキンで滑りにくい。その裏側の左右にはパドルがあり、Dレンジのままでも左はダウン、右はアップのシフトが可能だ。セレクターレバーをDレンジから後方へもう一段引けばSレンジ、Dレンジから右に倒せばMレンジになる。一般道を走りながらちょっとスポーティな走りをするなら、Dレンジのままパドルシフトを使うだけで充分だ。
電動パワーステアリングのできはよく、直進付近の小さな舵角から手応えがあり、全体的には軽いがしっかりした感触を持っている。
かなり攻めた走りをしても、なかなかクセを出さない。最後までお行儀良く振舞ってくれる。つまり、ドライバーの予想を裏切らないハンドリング性能を持っている。安定性は高いのだが、ハンドルやアクセルに対する反応も幅広いから操っていておもしろい。
試乗を終えての感想は、少量生産のメーカーなのに細かいところまでこんなにしっかりできているのは予想外だった。アルテガは、クルマ創りのプロの集団がまとめあげたスポーツカーだということを改めて感じた。
本格的なサーキットを攻めた走りができるだけでなく、奥さまやお嬢さんが「ちょっと借りるわよ」と気楽に乗れるイージーさも兼ね備えたところが新しい。
■「アルテガGT」価格
・11,890,000円
■「アルテガGT」主要緒元
・ステアリング 左
・全長×全幅×全高 4015×1882×1180 mm
・ホイールベース 2460 mm
・トレッド(前 / 後) 1534 mm / 1570 mm
・最低地上高 124 mm
・車両重量 1132 kg
・乗車定員 2 名
・エンジン V 型6 気筒DOHC
・総排気量 3597 cc
・ボア×ストローク 89.0×96.4 mm
・圧縮比 11.4
・燃料供給装置 電子制御コモンレール式筒内直接噴射
・最高出力 220 kW (300 PS) / 6600 rpm
・最大トルク 350 Nm / 2500 rpm
・燃料タンク容量 68 L
・燃料消費率 (Euro 5) 9.2 L / 100 km
・トランスミッション 6 速DSG
・駆動方式 後輪駆動
・ステアリング形式 ラック・ピニオン式
・ブレーキ形式(前 / 後) ベンチレーテッドディスク / ベンチレーテッドディスク
・サスペンション形式(前 / 後) ダブルウィッシュボーン / ダブルウィッシュボーン
・タイヤ(前 / 後) 235/35ZR19 / 285/30ZR19
・ホイール(前 / 後) 8.0 J × 19 / 9.5 J × 19
・パワーウェイトレシオ 3.77 kg / PS
・0-100 km/h 加速 4.8 秒
・最高速度 270 km/h
【関連記事】
- ドイツの新スポーツカーメーカー日本上陸【アルテガGT新車情報】
- V8、5Lハイブリッド搭載か? FRハイブリッドスポーツカー【レクサスLF-LC新車情報】
- ついに登場! 待望の小型FRスポーツカー【新型トヨタ86(ハチロク)新車情報】東京モーターショー出品車
- スポーツカーなのに燃費30%改善【メルセデス・ベンツAMG SLK55新車情報】
- 【メルセデス・ベンツ SLS AMG 試乗記】ガルウイングはハッタリか? SLS AMGの実力を暴く!
- 【アウディ RS5 新車試乗記】流麗なクーペフォルムをさらに鍛え上げたトップアスリート
- 【アウディ R8 5.2FSIクワトロ 試乗記】待望のトップモデルは走りも快適性も一級品!
この記事に関連するニュース
-
トヨタ クラウンセダン試乗記・評価 驚異的な乗り心地と静粛性
CORISM / 2024年4月13日 17時7分
-
ホンダ「N-BOX」の実力は? 雪道ありの400km長距離試乗に挑戦!
マイナビニュース / 2024年4月8日 11時30分
-
【2024年】おすすめの国産マニュアル車11選|魅力や注意点も合わせて解説
MōTA / 2024年4月4日 11時0分
-
メルセデスAMG『GTクーペ』新型が日本上陸…トップパフォーマンスモデル
レスポンス / 2024年4月3日 12時15分
-
メルセデスAMG『G63』に改良新型、585馬力ツインターボを電動化
レスポンス / 2024年3月28日 7時30分
ランキング
-
1なぜ歯磨き粉はミント味? ヒット商品の誕生には「無駄」が必要なワケ
ITmedia ビジネスオンライン / 2024年4月26日 8時0分
-
2【解説】円安どこまで進む? 深刻…家計にも影響、為替介入の可能性は
日テレNEWS NNN / 2024年4月25日 20時5分
-
3濃口醤油と淡口醤油、塩分が高いのはどっち?…醤油の「色の濃さ」と「味の濃さ」の知られざる関係
プレジデントオンライン / 2024年4月26日 8時15分
-
4突然現場に現れて「良案」を言い出す上司の弊害 「気になったら即座に直したい」欲求への抗い方
東洋経済オンライン / 2024年4月26日 8時0分
-
5英郵便局の冤罪事件、会計システム原因の富士通社長「申し訳ない」と謝罪…1月にドラマ化され批判強まる
読売新聞 / 2024年4月25日 23時0分
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
エラーが発生しました
ページを再読み込みして
ください