超円高なのに強気の価格据え置きながら、2012年モデルJeepに価格を下げた2WDが登場【ジープ パトリオット新車情報】【ニュース・トピックス:クライスラー】
CORISM / 2012年2月6日 8時8分
本格的な走りのパフォーマンスより、ファンション性が高い2WDのエントリーモデルを用意
クライスラー日本は、JeepブランドのコンパクトSUV、Jeep Patriot (ジープ・パトリオット)の2012年モデルを2月11日(土)より発売する。
今回の2012年モデルのジープ パトリオットには、エントリーグレードの「Sport」にJeepブランドとしては日本国内導入初となる2WDモデルが導入された。ジープというと優れた悪路の走破性を誇る4WDをイメージする。しかし、マーケットでは2WDモデルへの需要が高いという。4WD機能というよりは、ライフスタイルに合ったデザインやイメージ、価格を重視し購入するユーザーへ向けたモデル。
エントリーグレードのSportには、充実した機能装備や多数の安全装備はそのままに、2.0L ワールドエンジンを搭載。あらゆる回転域でトルク曲線を最適化できるように可変バルブ タイミング機構(VVT)を搭載し、最高出力115 kW(156 ps)/ 6,300 rpm、最大トルク 190 N・m(19.4 kg・m)/ 5,100 rpmを発生する。
注目は価格。2WDになったことで、4WDより20万円ほど安くなり258万円となった。4WD分が20万円という計算だ。20万円安くなったというと、超円高による円高還元メリットかと思うが、4WDモデルと2WDモデルの価格差としては、平均的なものだ。特別に安いというものではない。
ちなみに、本国でのパトリオットスポーツの価格は約16,000ドルから。1ドル77円計算すると、約123万円である。この強気の価格設定には、ジープの販売が好調なのにも起因する。販売台数は、対前年同期比68%増を達成。ジープブランドのみで3,000台超えの実績は、2001年以来10年ぶりの記録となった。売れているのだから、価格は下げないといのはある意味商売の鉄則でもあるが、わずか3000台超という台数だ。より販売台数増や保有台数増を望むなら、超円高を追い風に価格ダウンや低金利ローン、メンテナンスフリープログラムのサービスなど、利益の還元も必要だろう。
価格ダウンの要因はあるのだが、ただ、ジープはしっかりと右ハンドル車を用意している点は大いに評価したい。そのため、多少コストが上がり価格に反映されるのは、仕方のないことだろう。当たり前だが、フォードのように左ハンドルのみ、という日本のマーケットを完全に無視したクルマではない。とくに、日本の狭い道で大きなクルマなら、より右ハンドルが使いやすいのは当然だ。国産車から、新たなユーザーを奪い取る気があるのなら、違和感なく乗り換えられる右ハンドル車は必須だろう。同じアメ車メーカーであっても、日本マーケットを見る目が違うのは明確だ。
さて、上級グレードの「Limited」は、価格据え置きの318万円。従来のデュアル可変バルブタイミング(VVT)機構付き 2.4 L 直列4気筒DOHC 16バルブエンジンを搭載。ロックモード付きフルタイム4x4システムのフリーダム ドライブI は悪天候時やトラクションの低い路面でも高い走破性を誇る。また、Sport、Limitedに採用されている無段変速トランスミッションCVTでは、キャリブレーションが改良され、スムースな加速と減速やエンジンノイズの低減に貢献する。
ジープの大らかでワイルドなスタイルと、卓越した4WDシステムはSUV好きユーザーの憧れのひとつでもある。低燃費時代という高いハードルを超えて、あえてジープの購入を意識するユーザーに、せめて超円高の恩恵を与えて少しでも購入のハードルを下げて欲しいものだ。
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