1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. 経済
  4. 経済

弱点は価格? へそ曲がり評論家さえも楽しいと太鼓判!【スバルBRZ試乗記】【レビュー:スバル】

CORISM / 2012年2月22日 8時8分

スバルBRZ

日産180SXをイメージさせるスタイル

 トヨタとスバルが共同開発した、小型スポーツカーのBRZに試乗した。ツインリンクもてぎ内の限られたシチュエーションでの試乗だったので、いろいろなことを試せたわけではないが、取り敢えずいろいろなことが分かった。

 トヨタ版の86とスバル版のBRZに関しては、かなり前から自動車メディアが盛りあっていて、このクルマのヒットで若いユーザーをクルマの世界に取り戻そうというのが見え見えだ。私の個人的な信条はみんなが北を向くなら私だけ東というようなへそ曲がりだから、みんなが大政翼賛会的にほめるなら、一人くらいと違ったことを言おうかと思って試乗に望んだ。

 結論から先に書いておくと、短い時間の限られた試乗だったので、分かったことと分からないことがあるが、分かった範囲内ではとても楽しいクルマに仕上がっていたのは認めざるを得ない。

 主にトヨタが担当したという外観デザインは、かつての日産180SXを連想させるような明快なスポーツカーデザインだ。今どきのクルマなので全幅はBRZのほうがかなり大きいし、逆に全長は水平対向エンジンを生かしてショートオーバーハングに作られているが、分かりやすい2ドアクーペであるのは変わらない。

 日産180SXよりも少し高いだけの全高のボディに乗り込むと、座った瞬間に低いと感じられた。個人的には、周囲の確認がしやすいようにシートリフターで高めの位置に座るのが好きだが、そのようにしなくても周辺の視界は比較的良かった。これはAピラーの位置と角度やドアミラーの設置位置などによる。チルト&テレスコピックステアリングも装備されているので、たいていの人が最適のドライビングポジションを確保できる。

安心して走れる高いコントロール性能をもつFRスポーツカー、スバルBRZ

 エンジンはとにかく良く回る。レッドゾーンは7400回転からだが、マニュアル車ならそれを超えて回っていくし、AT車でも7000回転までをきっちり使ってシフトアップしていく。エンジン性能曲線図を見ると4000回転のあたりにやや谷があるのだが、一気に吹き上がっていくのでそれを気にしている暇もない。回したときのパワーフィールも上々で、さすがにリッター当り100psを発生するスポーツエンジンだけのことはある。

 トランスミッションは6速のMTとATが用意されていて、スポーツカーなのだからマニュアル車を選ぶの当然だよね、ということになるのだが、パドルシフトを備えた6速AT車のデキも相当良い。ダウンシフトのときには軽くブリッピングが入って回転を合わせてくれるのでコーナーからの立ち上がりもスムーズだ。

 マニュアル車はステアリングホイールからすぐの位置にシフトレバーがあり、これが短いストロークできちきちっと決まる。コーナーでは低重心パッケージを生かしてロールの少ない走りを実現する。ほとんどロールすることなくクルマが向きを変えていくので、タイトなコーナーを走
り抜けていくのが楽しいという感じだ。

 限られたシチューエーションの中で、VDCスポーツモードも試して欲しいということだったので、トラクションコントロールがオフになるスポーツモードを試してみた。この状態ではリヤが滑りやすくなるようだが、唐突な滑り出しではないので安心して走らせることができた。

若者のクルマというより、昔を思い出して買う年寄りのクルマ?

 BRZの弱点を挙げるとしたら、価格だろう。86も同様だが、ベースグレードの価格は200万円を切っている。ただ、このベースグレードは快適装備がほとんどついておらず、普通のユーザーが普通に乗れるクルマではなく、競技を楽しむユーザーが競技専用に2台目、3台目のクルマとして買うグレードだ。

 普通に乗れるクルマは240万円台からだが、これにもカーナビなどは装着されていない。いくつかのオプションを装着して諸費用を払ったら軽く300万円を超えるわけで、若いユーザーに簡単に手の届くクルマではない。

 BRZは、若い頃にスポーツカーに乗っていたが、子供来成長期にはミニバンで我慢していて、子供が巣立ったのでもう一度スポーツカーをと考えるような年配のユーザーから支持されるクルマになるのではないか。

若い内に乗っておきたいBRZ、中古車にも期待

 今すぐBRZを買うのは厳しい若いユーザーも、3年もすれば中古車市場に相場のこなれたBRZが出回ってくる。それを待ってから買えば良いし、購入時のイニシャルコストが安い中古車なら、それをベースにしたカスタマイズもしやすいというもの。BRZと86はすでにいろいろなアフターパーツが出ているし、今後もいろいろ作られるだろうから、自分好みのクルマに仕上げられている。

 BRZに比べると若いユーザーにとって比較的手が届きやすいのがスイフトスポーツだ。価格は168万円だから、これにオーディオ&カーナビなどを装着しても車両価格は200万円以内で収まる。これくらいだと若いユーザーにとってもリアリティのあるスポーツモデルになると思う。

 FFとFRなので走りの楽しさには違いがあるが、スイフトスポーツもFFとして相当に走りの楽しいクルマに仕上がっている。なので、今の時点でスイフトスポーツを選び、3年ほど乗った時点で下取りに出してBRZの中古車を選ぶというのもひとつの作戦。クルマの楽しさを教えてくれるという点で、どちらも若いうちに乗っておきたいクルマである。

代表グレード スバルBRZ S 6MT
ボディサイズ[mm](全長×全幅×全高) 4240×1775×1300mm(アンテナ含む)
ホイールベース[mm] 2570mm
トレッド前後[mm] F:1520mm R:1540mm
乗車定員 4名
エンジン種類 水平対向4気筒 直噴DOHC
ボア×ストローク[mm] 86mm×86mm
総排気量[CC] 1998CC
エンジン最高出力[ps(kw)/rpm] 200ps(147kw)/7000rpm
エンジン最大トルク[kg-m(N・m)/rpm] 20.9kg-m(205N・m)/6400~6600rpm
ミッション 6速MT(6速ATもあり)
駆動方式 FR
サスペンション F:ストラット R:ダブルウィッシュボーン
ブレーキ F&R:Vディクス
タイヤサイズ F&R:215/45R17
燃料タンク容量 50L
燃料 無鉛プレミアムガソリン
発売日 2012年3月28日
価格 279.3万円

【関連記事】

スバルBRZスバルBRZスバルBRZスバルBRZスバルBRZスバルBRZスバルBRZスバルBRZスバルBRZスバルBRZ

この記事をCORISMで読む→

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

デイリー: 参加する
ウィークリー: 参加する
マンスリー: 参加する
10秒滞在

記事にリアクションする

次の記事を探す

エラーが発生しました

ページを再読み込みして
ください