大幅コストダウンなら、より安く良いクルマが買えるのか?【新世代車両設計技術、日産CMF 4+1ビッグモジュールコンセプト】【ニュース・トピックス:日産】

CORISM / 2012年3月2日 15時15分

日産CMF 4+1ビッグモジュールコンセプト

4+1の組み合わせで、多種多様なクルマを作り出す日産CMF技術

 日産は、新世代車両設計技術である「日産CMF(コモン・モジュール・ファミリー)」を、2013年以降発売する新型車の車両開発に導入する。

「日産CMF」は、車両構成をエンジンコンパートメント、コックピット、フロントアンダーボディ、リヤアンダーボディを4つのモジュールとし、更に、電子部品をまとめる電子アーキテクチャーを加えたもの。4つのボディ系モジュールと1つの電子アーキテクチャーで、4+1ビッグモジュールコンセプトと読んでいる。

 量販車種をもつどのメーカーも基本的には、モジュール化を進めている。プラットフォームの共有化というのも、大きな枠組の中では、ひとつのモジュールというものになる。トヨタのように多種多様な車種があるメーカーは、フロント部分は◯◯用、中間部分を△△用、リヤ部分は××用など、異なるものを微妙に設計を変更して組み合わせたプラットフォームを使用していたりする。

 日産CMFは、そんなプラットフォームの共有化を、さらに進めたものになっている。極端な例としてだが、おもちゃのレゴブロックのようなものだと思うといい。複数の規格化されたブロックを組み合わせてクルマを作り出すというものだ。日産は、クルマの基本骨格部分を4+1というカタチに分類し規格化。この複数の規格化さられたモジュールの組み合わせにより、セダンや背の高いSUVやミニバン、そしてコンパクトカーまで、基本部分を共有化して作り上げる。

大幅なコストダウンとタイムリーな新技術の投入で、期待が高まるのは安くていいクルマ!

 この日産CMFにより、大幅なコストダウンと開発期間の短縮が見込まれる。また、新技術の普及やコストダウンにも効果がある。今まで新しい技術が開発されると、まずは比較的高価な車種が新型へとモデルチェンジした時に投入される。そして、順次、長い時間をかけてモデルチェンジ時期に導入されていく傾向があった。この日産CMFの場合、共通のモジュールを使う車種には、今まで以上にスピーディに導入が可能となる。導入車種も多くなることで、新技術導入の部品コストも短期間で下がるメリットもあり、最新の低燃費・安全技術などが量販車種にスピーディに供給されることになる。また、開発期間も大幅に短縮されるという。そうなれば、仕向地向けに合った多種多様な車種を短い時間で投入できるメリットもあり、競争力はさらに高まる。

 要は、日産CMFが本格的に稼働すると、大幅なコスト削減ができ他メーカーに勝る競争力を得ることができるということだ。

 ただし、単純にすごい技術なんだね、だけでは終われない。問題は、日産が中期経営計画で明らかにしている目標である営業利益8%という数字を達成する手段だけで、この日産CMFを展開するのかどうかということだ。

 つまり、コストダウンによって得られた利益は、営業利益8%という目標達成のためという手段にすぎないとなると、我々ユーザーにはあまりメリットもない。つまり、コストダウンによって、より安くいいクルマが我々の手に入るかどうか、という視点やアピールも欲しい。

 なぜ、そういう視点になるかというと、日産はタイで生産したマーチを日本に輸入している。大幅なコスト削減による海外の工場からの輸入という選択を取った割には、日産マーチの販売価格は他を圧倒的にリードするほど安いかといえばそうでもなく、国内生産の他のライバルとほぼ横並びであるからだ。

 この日産CMFには、デメリットも存在する。やはり、専用設計ができないというのはデメリットだ。専用設計されたものに比べれば、パフォーマンスは劣るという。当然、そこは日産も理解していて、量販車種には日産CMFでの設計をベースにするものの、一部の高級車やスポーツカー、特殊な性能が必要なクルマは、専用設計が施されるという。

 さて、日産は中期経営計画「パワー88」の期間中に合計51車種にのぼる新型車を投入する。日産CMF技術を投入するモデルが投入されるのは、2013年以降ということ。ジックリ見て欲しいのは、この日産CMFが本当にユーザー視点なのか? ということだ。他のメーカーよりも、安くて良いクルマなら◯、価格横並び良いクルマなら△、価格横並び性能横並びなら×、日産CMF技術の評価は、こんなことになりそうだ。

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