【減税基準が強化! 4月から変わる補助金と減税の注意点】松下 宏コラム パート2<エコカー減税編>【特集・コラム:ビジネス・経済】
CORISM / 2012年3月20日 10時10分
基準が厳しくなると、減税されない&減税が少なくなるクルマ・グレードが続出?
エコカー減税は、購入時の自動車取得税と自動車重量税が軽減されるものだが、3月15日現在でまだ正式には決まっていない。平成24年度の予算案が成立しないと本決まりにはならないからだ。政府の方針としてエコカー減税の実施が決まり、予算案にも計上されているので、ほぼ確実に実施されると思うが、正式にはまだ決まっていない。
なので、自動車メーカー各社のホームページに行っても、4月以降のエコカー減税については具体的な減税額などが示されていない。
また、本決まりになった場合でも、4月以降(自動車重量税は5月以降)のエコカー減税は、現在のものとかなり変わる。というか、減税の基準が厳しくなって対象車種やグレードが絞られたり、あるいは現在は75%減税であるものが50%減税になるのは当たり前といった感じで、車種によって減税で適用されなくなるものもあるので注意が必要だ。
減税幅が拡大されて免税になる予定なのはマツダのSKYACTIVエンジン搭載車だ。これまで100%減税(=免税)になっていたのは、ハイブリッド車、プラグインハイブリッド車、電気自動車、クリーンディーゼル車などで、一般に環境性能の高いクルマが免税扱いになっていた。
マツダのSKYACTIVは内燃機関を使った普通のガソリンエンジンながら、ハイブリッド車並みの低燃費を実現したということで、環境性能の高さが認められて購入時の自動車取得税と自動車重量税が免税になる。これまでは75%減税だったのが100%減税に拡大されるわけだ。
減税幅の拡大よりSKYACTIVが環境性能に優れたクルマとして、国のお墨付きを得たことのほうがマツダにとって大きい。SKYACTIV搭載車を販売しているのはマツダだけだから、環境性能をアピールしやすいし、大いにイメージアップになったと思う。
ただ、マツダとしても単純に喜べないのはデミオを見ると分かる。13-SKYACTIVが免税になる一方で、エコカー減税の基準が厳しくなったことから、前述のように減税の対象から外れるグレードがあるからだ。
13C-Vという従来のデミオのラインナップの中で低燃費車とされていたグレードが、平成24年度のエコカー減税の基準から外れてしまうのがその典型だ。
現在は75%減税で6万円以上も税負担が減るのに、平成24年度の基準からはわずかに外れてしまうため、自動車取得税と自動車重量税を丸々負担しなければならなくなる。エコカー補助金は受け取れるにしても、減税がなくなるのは痛い。
デミオに関していえば、13Cやスポーツなど、あまり燃費の良くなくて平成23年度のエコカー減税で50%減税にとどまっているグレードは、もちろん平成24年度は対象外である。
ほかのメーカー、車種でも同じようにエコカー減税の適用が外れたり、減税率が75%から50%に変わる車種はたくさんある。4月以降も同じように減税を受けられるとは限らないので十分に注意が必要だ。
なお、経済産業省では混乱を避けるため、エコカー減税の対象車種と減税率は4月1日に発表するとしている。4月以降の新車購入は、減税率をしっかり確認してからにしたい。
平成24年度からは、自動車重量税の暫定税率が変更されて割増分の一部が削減されることになる予定だ。これは全車に適用されるが、車種によっては重量税低減分よりエコカー減税の対象から外れることによる負担増のほうが大きい車種もある。これまた単純には喜べないので注意しておきたい。
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