オヤジ世代の懐古主義的スポーツカー【トヨタ86試乗評価】【レビュー:トヨタ】

CORISM / 2012年4月30日 8時8分

トヨタ86

派手でもなく地味でもない、オヤジ心をワシづかみする絶妙なスタイル

 86と言えば私の年代はAE86のレビン、トレノを連想し、ラリーやレース・シーンでの活躍が懐かしい。漫画のイニシャルD(しげの秀一作)で主人公の乗る86がドリフトで強敵に勝つシーンを見て、86のファンになった平成生まれの若い人もいるだろう。その86が「トヨタ86」として復活し、我々のオヤジ世代にとって気になるクルマとなっていると評価したい。

 試乗会場にはレッド、ホワイト、オレンジ、ブルーなど色とりどりの86が用意されていた。スタイルについてはトヨタ86より姉妹車のスバルBRZの方が良いと思っていたが、太陽の下で見る86もなかなかイイ。むしろ威圧感がなく、もし購入するなら私のようなオヤジ年代ならホワイトなどの大人しいボディカラーの86がお似合いかもしれない。

 全高1.3m、全幅1.775m、全長4.24mのボディサイズはAE86に比べれば大きいが現代のスポーツカーとしてはコンパクトである。フロントのデザインは一目で分かる「トヨタ・ルック」、しかしフェンダーの力強さがハイブリッド車には無いスポーティな印象を与える。また、ディフューザーを高い位置まで上げた存在感のあるリヤスタイルは、私が86で一番好きな角度である。試乗車のGTリミテッドはリヤスポイラーも装着されているが小さく控えめで、大人向けのスタイルである。

 インテリアはタイトであるが大人2人には充分なスペース、短時間だったらリヤシートを使い4人乗車も可能である。トヨタ車最小径365mmの本革巻きステアリングホイールには6速AT車の場合はパドルシフトが装備されている。パドルシフトは、ステアリングホイールと一緒に動くタイプで右がシフトアップ、左がシフトダウンでブリッピング付き。握り心地を徹底的に追求したとの謳い文句通り、ステアリングを握った感じは自然で、パドルシフトも意識しないで自然な操作が可能である。

 シートはしっかり作り込んでいて、この価格帯では一番良いだろう。個人的な好みとしては、もう少し張りの強いシートが好きであるがサイドサポートも良好でありながら乗降性は良い。上下40mmのシートリフターは装備し、ステアリングホイールにはチルト&テレスコピックも採用して多くの人にベストポジションが取れる。運転を優先し、調整機能はコストがかかるのに妥協しなかった姿勢は好感が持てると評価したい。

 また、GTリミテッドには座面には本革&アルカンターラ(シートヒーター付き)が採用され、更に赤いステッチがカッコいい。シートに付いている布製のシートベルトガイドは、プラスチックよりコストセーブでありながらお洒落である。シート開発担当者からじっくり話を聞けた。今回の86は従来のトヨタ車のシート開発では得られなかった開発時の意気込み、楽しさなどを熱く語ってくれた。

 メーターは3連で左がスピードメーター、真ん中は大きなタコメーターが配置されていている。視認性が良く、タコメーター内にはデジタルスピードメーターが配置され、運転中の視線移動は最小限で済む機能的なレイアウト。更にAT車の場合シフトポジションも表示される。

 GT以上のグレードには左右独立温度コントロールフルエアコン、アルミペダル、17インチアルミホイールなど、欲しい装備が満載である。

意外と快適で疲れない足回り

CORISM(コリズム)

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