日産の最上級車種シーマ復活! ハイブリッドのみの国内専用モデル【日産シーマ ハイブリッド新車情報】【ニュース・トピックス:日産】
CORISM / 2012年4月25日 10時0分
3mを超えたロングホイールベース化で、ホスピタリティを大幅アップした後席
日産は、日産ブランドの最上級車種である新型「シーマ」を2012年5月12日より発売すると発表した。
前モデルの日産シーマは、2010年8月に生産を中止。約10年に渡り生産されたロングセラーモデルだった。その後、日産の最上級車種の座は、1クラス下となるフーガに委ねられたが、約2年ぶりに日産のフラッグシップモデルとして復活した。
新型日産シーマは、フーガ ハイブリッドをベースとして開発された国内専用モデル。全長5120mm×全幅1845mm×全高1510mmというボディサイズをもち、フーガより全長は175mm伸び、全幅は同じ、全高は10mm高くなっている。
ホイールベースは、3050mmと3m超。フーガに比べ長くなった175mm内、150mmはホイールベースの延長に使われている。また、前型シーマに比べてもホイールベースは180mm長い。つまり、そのほとんどが後席の居住性アップのために使われている。後席のニールームは、825mmとクラストップレベルの広さを誇るようになった。
デザインは、やはりフーガ似だ。大型のグリルやメッキモールを使ったバンパーなどが、大きくフーガと違う。5mを超える車格にふさわしく、より伸びやかなサイドビューなど、フーガよりフォーマルな印象は強くなっている。
日産独自のハイブリッドシステムを、より洗練させて新型シーマに搭載
パワーユニットは、3.5LのV6エンジンを搭載した日産独自の1モータ2クラッチ方式ハイブリッドシステム。ハイブリッド車のみの設定だ。225kw&350Nmの出力を持つエンジンと、50kw&270Nmのモーターが組み合わせている。
このハイブリッドシステムも、基本的にフーガからの流用。しかし、日産のフラッグシップモデル シーマに求められる静粛性や振動、ショックなども十分考慮され、新型シーマにふさわしいより熟成・洗練されたハイブリッドシステムになっているという。
当然、ハイブリッド車なので、このクラスとしては格段と燃費が良いのも特徴のひとつ。JC08モード燃費は、クラストップレベルの16.6km/Lを達成している。それでいて、0-100km/h加速は6.6秒と、なかなかの俊足ぶりだ。
ハイブリッドのもうひとつの魅力が、静粛性だ。静粛性を高めるために、新型シーマでは専用のタイヤ&ホイールを開発。日産初となる特殊吸音構造体を使ったタイヤや、ホイール重量の最適化、エンジンの不快なこもり音を逆位相の周波数を出して低減するアクティブノイズコントロールも装備した。
安全装備面では、日産の予防安全システムであるセーフティシールドパッケージを標準装備している。
乗り心地向上のために、全席のクッションパッドに低反発ウレタンを採用。さらに、路面からの振動に応じてジョックアブソーバーが減衰力をコントロールするダブルピストンショックアブソーバーを装備した。
後席のホスピタリティも重要な要素。計16個のスピーカーを最適に配置し、すべてのシートで臨場感あふれるBOSE製5.1chサラウンドサウンドに、前席ヘッドレスト後部に埋め込まれた7インチディスプレイを搭載したプライベートシアターシステムを採用している。
職人の手が作り出す新型シーマ
新型日産シーマは、日産のフラッグシップモデルとしてふさわしい最高の品質を追求しているのも特徴のひとつだ。例えば、塗装工程では、鏡のような美しい塗装鮮映性を実現するために、中塗りが終わった状態でラインから抜かれ、職人の手で水研ぎが追加される。この水研ぎは、まさに職人技。匠の技を持つ選ばれた職人が5μmを磨き上げるという。
さらに、新型シーマは完成検査でも一度作業ラインから外し、1時間かけて目で見て触ってチェックされる。各部の建付けの測定は、新型シーマからデジタル測定器を採用し、108箇所にも及ぶ部分を計測しコンピュータに記録する。
最後の品質検査は、テストコースでの走行評価。テストコースでは、栃木工場でわずか10名しかいない評価者2名が、運転席と後席にぞれぞれ乗り込み異音や走行性能、各部をチェックする。ここでようやく新型シーマの品質検査は終了する。高い品質の証して、品質検査確認書に工場長が自らサインし、この品質検査確認書とともに新型シーマは顧客へ納車されることになる。
わずか1000台の年間販売台数が、5倍以上の価値をもつ理由とは?
新型日産シーマの目標販売台数は、わずか年間1000台。たった1000台のために、国内専用モデルを開発するのには訳があった。日産のフラッグシップモデルの保有台数が、ドンドンと他社へ流出していたのだ。約10年も作り続け、ライバルより劣っていた先代シーマでは、それが止められなかった。比較的クルマに対して理解度のある顧客は、より広いエルグランドへの代替も進んだものの、大型のセダンを好む保守層にはミニバンでは対応できない現実もあった。
そんな先代シーマやプレジデントの顧客層の保有台数は、なんと7台前後になるという。この保有台数は、もちろん法人用や営業車もある。そういった顧客が、他社に流出すると、今まであった保有車も順次他社へ流出する傾向にあったという。
つまり、新型日産シーマは、フラッグシップモデルとしてのブランド価値だけではなく、保有の流出を防ぐ意味でも重要な車種だったのだ。日産マーケティングダイレクターの橘川さんは「新型シーマの販売台数は年間1000台だが、マーケット価値はその5倍で5000台以上だ」と語った。
国内のマーケットが収縮していく現在、保有台数を守り、そこから生まれる代替えを着実に自社製品へと導くのは、営業の鉄則ともいえる。日産は軽自動車やミニバンの一部をOEM化している。これも、自社ラインアップをローコストで広げ、顧客の流出を防ぐ目的を持っている。そういう視点から見ると、新型日産シーマは、日産ラインアップの頂点であって要の車種ということになる。新型シーマへの期待は大きい。
代表グレード | 日産シーマ ハイブリッド |
---|---|
ボディサイズ[mm](全長×全幅×全高) | 5120×1845×1510mm |
ホイールベース[mm] | 3050mm |
トレッド前後[mm] | F:1570mm R:1565mm |
乗車定員 | 5名 |
エンジン種類 | V型6気筒DOHC |
総排気量[CC] | 3498CC |
エンジン最高出力[ps(kw)/rpm] | 306ps(225kw)/6800rpm |
エンジン最大トルク[kg-m(N・m)/rpm] | 35.7kg-m(350N・m)/5000rpm |
モーター最高出力[ps(kw)] | 68ps(50kw) |
モーター最大トルク[kg-m(N・m)] | 27.5kg-m(270N・m) |
ミッション | 7速ハイブリッドミッション |
駆動方式 | FR |
サスペンション | F:ダブルウイッシュボーン R:マルチリンク |
タイヤサイズ | F&R:245/50R18 |
燃料 | 無鉛プレミアムガソリン |
発売日 | 2012年5月21日 |
価格 | 735万円 |
<新型日産シーマ ハイブリッド価格>
・シーマ ハイブリッド 735.0万円
・シーマ ハイブリッドVIP 787.5万円
・シーマ ハイブリッドVIP G 840.0万円
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